ホーム | コラム | 東西南北 | 東西南北

東西南北

ニッケイ新聞 2008年10月3日付け

 陸海軍兵士が大量に投入されたリオ市北部のアレモン地区は一二のファベーラが集まり、リオ市の犯罪の四〇%が集中するといわれる。警察隊と麻薬密売者やその他の犯罪組織の抗争も頻繁で、九月にこの地域を治めるコマンド・ベルメーリョの首領の通称トッタら七人が殺害され、遺体焼却という事件が起きた時には、遺体回収のための軍警らが大挙し、軍警や麻薬密売者からも死者が出るという抗争も起きた。三平方キロの土地に、二〇〇〇年現在の住民六万五〇〇〇との資料あり。
     ◎
 飲酒運転の取締りが厳しくなり、ポルト・アレグレでは、呼気中のアルコール濃度測定器を誤魔化すための薬まで売り出された。調査の結果は、薬を飲むとかえって血中のアルコール濃度が高くなったというから大笑いだが、「体内のアルコールを排除」と書かれたポスターまで貼っていた薬局は、倫理にもとるとされた上、宣伝に偽りありで訴えられた。
     ◎
 国家衛生監督庁から、痩せ薬消費についての統計が発表された。食欲を減退させるタイプの薬の一月から七月にかけての消費量は、ゴイアス州が一位で、サンパウロ州が二位。一〇〇〇人当たりの消費量での比較で、ゴイアス州は一〇〇〇カプセル、サンパウロ州は九九五カプセル。三位はリオ州で五七七。人口の多いサンパウロ州だけに、州全体での消費量は、同期間中の消費量のおよそ半分だったとか。
     ◎
 ここ二カ月の間にアルゼンチンのパタゴニアから八〇〇〇キロの旅をしてバイア州までやってきたペンギン三三〇頭が、空軍の飛行機で南リオ・グランデ州に運ばれ、南下する海流中に放された。バイア州の海岸に漂着して保護され、回復したペンギンの一部だ。

image_print