ホーム | 日系社会ニュース | 日系キリスト教連盟=2百人集い百周年記念礼拝=先人の苦労偲び感謝捧げる

日系キリスト教連盟=2百人集い百周年記念礼拝=先人の苦労偲び感謝捧げる

ニッケイ新聞 2008年10月28日付け

 ブラジル日系キリスト教連盟(長田光夫理事長)は、十九日午後二時半からリベルダーデ区の中央メソジスト教会で、移民百周年記念感謝礼拝を行った。サンパウロ市を中心に同連盟傘下の教会から日系・非日系人の信徒ら約二百人が集まった。
 今年は百周年を記念して、八月にゴスペル歌手の森ゆり来伯コンサートを全伯十カ所で、九月には日野原重明医師による「老いと信仰」の講演会を開催した同連盟。感謝礼拝では、日系、非日系が一緒になり百周年を祝えたことや、先人たちの苦労と努力を偲んで百年前から現在までの神の導きに感謝を捧げた。
 黒木常男師の司会、柳原ジェランジル師の通訳で進められ、サント・アンドレ教会のバンド演奏に合わせてゴスペルを歌い、広川朋子さんによる独唱賛美で心を清めて、ロンドリーナの田名網康三師のメッセージに耳を傾けた。
 田名網師は、旧約聖書の詩篇九十五章一~二節の感謝の聖句からメッセージを伝え、またその中で旧約聖書にある四十年後に約束の地カナンにたどりついたモーセを例に、苦悶の後も祈れば必ず喜びがくる神の御業の偉大さを説いた。その後、賛美歌や祈りが捧げられて礼拝は終了した。
 礼拝後の感謝会の部ではコーラスが披露された後、長田理事長よりあいさつ、上原幸啓百周年協会理事長代理の森口イナシオ師(援協会長)より祝辞があり解散となった。
   ▼   ▼   
 現在、全伯に百十五の教会を数える日系教会だが、日本人による福音宣教の第一歩は二三年、聖公会の伊藤八十二師とカトリックの中村長八神父によって始められたという。原生林や奥地で行われていた伝道活動が後に家庭集会へと発展し、日系教会の誕生へと至った。
 日本基督教団の武間謙太郎師の来伯、指導により、同連盟は一九五五年、日系人への伝道促進を目的としてブラジル邦人キリスト教連盟として誕生した。現在はホーリネス、自由メソジスト、ホザナ福音、アライアンス・キリスト宣教、聖公会、福音ルーテル、ナザレなどを全伯に数える。一世信徒の高齢化が進んでいるものの、二世以降の牧師らが日系伝道に積極的に取り組んでいるという。

image_print