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雪村いづみ・沢竜二サンパウロ市公演=「必ず面白いものを見せたい」=沢竜二さん着聖、抱負語る

ニッケイ新聞 2008年11月6日付け

 「必ず面白いものをお見せしたい」。八日にサンパウロ市文協大講堂で開催される百周年記念公演「先人に捧ぐ―雪村いづみVS沢竜二&宝塚OG 汗と感動のグランドステージ」の出演にあたり、五日着聖した沢さん(73)はこう笑顔で多くの来場を呼びかける。
 大衆演劇の第一人者として知られる沢さんは、これまで九五年と〇二年に来伯。それぞれ文協大講堂で公演し、コロニア芸能界の重鎮、丹下セツ子さんと夫婦役を演じたこともある。
 浪曲師の父と大衆演劇の座長だった母の子として、芝居小屋の楽屋で生まれたという根っからの芸人。七五年ごろ、紀伊国屋ホールでの芝居「夢の渡り鳥」シリーズを打ち出し、新スタイルの演劇として、永六輔はじめ当時の文化人から絶賛を受けた。近年はロサンゼルス、ラスベガスなど海外の公演を精力的にこなしている。
 共演する歌手・女優の雪村いづみさんの印象は「とてもあっけらかんとした人」。舞台ではフリートークの時間を設け、「お客さんが知りたいようなことをトンちゃん(いづみさん)に質問したい」と笑う。七七~七八年に日本全国三十九カ所で二人が行なった「道行きコンサート」(民音主催)は大成功を収めた。
 これまでのブラジル公演の印象については「おじいさんやおばあさんのノリが良く、お客さんがとても明るい」と絶賛。「まだ芝居をしていないのに舞台に出ただけで『うまいぞ』と客席から言われた」というエピソードを話し、その観客の反応の良さに驚いたという。
 ステージは三部構成。その第一部「大衆演劇 大スペクタクル早替り お里沢市―壷坂霊瞼記より」では、沢さんやその劇団メンバー、丹下さんらが登場し、迫力ある殺陣(たて)と衣装の早替りが繰り広げられる。
     ◎
 サンパウロ市公演は八日午前十一時と午後三時からの二回。ニッケイ新聞社主催。文化庁国際芸術交流支援事業。移民百周年記念イベント。
 協力券は一枚三十レアル。(当日は三十五レアル)。問い合わせはニッケイ新聞(11・3208・3977)まで。

宝塚の雰囲気味わって
OG・麻乃さんからメッセージ

 百周年記念公演「先人に捧ぐ―汗と感動のグランドステージ」開催に向け、雪村さん、沢さんとともにステージに立つ宝塚OGの一人、麻乃佳世さんがメッセージを寄せた。以下に紹介する。
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「皆様こんにちは。宝塚OGを代表して麻乃佳世がご挨拶します。私たちが育った宝塚歌劇団もブラジル移民百周年にはおよびませんが、九五周年を迎えます。私たちの先輩であり仲間である麻路さき(芸名)さんがお嫁入りしたブラジルはとても興味がありました。
 今回、大先輩である雪村いづみさん、沢竜二さん、丹下セツ子さんとご一緒出来ることも嬉しいです。本公演は七十名の出演者、大階段なのがわずか四名の出演ですが少しでも宝塚の雰囲気を味わって頂ける様精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。
   元月組 娘役       麻乃佳世

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