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「金融危機を4国で実感」=パラナ経済使節団が帰国=皇太子殿下にご接見も=上野団長「良い出会いあった」

ニッケイ新聞 2008年11月20日付け

 第三十六回パラナ友好経済使節団の一行十三人(上野義雄アントニオ団長)は、十月十日から三十一日まで訪日を軸としたアジア四カ国視察を行った。上野団長は「ちょうど金融危機が起きた直後だったので、日韓中タイでつぶさに観察し、各国の実情を実感できた」とその成果を報告した。
 同十四日には、東宮御所で皇太子殿下のご接見を受けることができ、「殿下は一人一人にお声をかけられ、一同感激した」と上野団長。六月のご来伯に団長が感謝をのべ、「殿下は日系コロニアの繁栄ぶりをみてことのほかお喜びだったようだ」という。
 その後、首相官邸で河村建夫官房長官に面会し、「温かい歓迎をうけた」と団長。官房長官は六月の各地の百年祭式典に、日伯議員連盟幹事長として十一人の国会議員と共に来伯参加した。
 さらに外務省中南米局長の佐藤悟氏、JICAやJBIC関係者にも面会し、パラナ州都クリチーバ市地下鉄プロジェクトへの融資、ロンドリーナ連邦技術大学への草の根支援への協力などを求めた。
 ホテルニューオータニで同日晩、パラナ日伯商工会議所の「旭日南十字星勲章」が上野団長からブラジル駐在企業元社長ら三人に手渡された。
 兵庫県に移動した一行は、井戸敏三知事らを表敬訪問し、副知事主催の昼食会も開かれ、歓迎を受けた。貝原俊民元知事による歓迎夕食会も行われ、神戸商工会議所、日伯協会(本部=神戸)を訪問するなど充実した日程をこなした。同勲章が井戸知事、貝原元知事、西村正日伯協会理事長らに授与された。
 十九日から韓国ソウル、タイ・バンコク、中国の上海や北京などを視察し、帰路についた。
 上野団長は、「日本で百二十年間続く企業の四代目社長にお会いした。続ける秘訣は『無理をしないこと』とお聞きし、大変感心した」とのべ、「今回も良い出会いがあちこちであり、とてもよい視察になった」と総括した。

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