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〃浪曲の灯〃消えず=パラナの祭り、13人口演

ニッケイ新聞 2007年12月1日付け

 【ロンドリーナ】第十一回パラナ浪曲詩吟民謡祭りが、十八日、日伯文化連合会(西森ルイス会長)の主催で、同会会館で開催された。〃浪曲の灯〃は消えていない。今回も十三人の浪曲師が舞台に立った。
 司会は、中川芳則さん。中川芳月の名で浪曲を口演するだけでなく、民謡も詩吟もやる。開演にさきだち、コロニア浪曲界の先達・片岡燕若さん(去る四月二十九日、ロンドリーナで八十九歳で死去)の霊に一分間の黙祷を捧げた。上口誠一連合会名誉会長が「日本の伝統芸能は日系人の心の慰め。若い層に浪曲、詩吟、民謡をいっそう普及していきたいもの」と述べた。
 出演は、浪曲十三人、詩吟三人、民謡十三人。浪曲口演者のなかに、口演するのが三十年ぶりという嵐山福友さん(69)がいた。サンタカタリーナ州のサンジョアキンでりんご栽培をしている。乗用車を運転、九時間かけ、りんごを手土産にロンドリーナにやって来て、この日のために、ホテルに二泊もする、という熱心さ。祭りでは「甚兵衛渡し」を演じた。
 関係者によれば、浪曲を口演できる人は、この日の出演者のほか、全伯には、もう七、八人はいるのではないか、ということだ。

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