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ニッケイ新聞 2008年11月28日付け

 今年の「サンパウロ国際映画祭」に出品され、ボリビア原住民の少年が初恋を通しアイデンティティを獲得していくことをテーマにした『パチャママの贈り物』(08年、松下俊文監督)が国際交流基金サンパウロ文化センター(Av. Paulista 37 1 andar)で五日午後七時から、上映される。入場無料。日本語字幕あり。詳しくは同センター(電話=11・3141・0110)
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 神奈川県小田原市の尊徳記念館で二十八日、二宮金次郎(尊徳)像のブラジルへの出発式が行われる。小田原箱根経済新聞が伝えた。六月に来伯した松沢成文知事に在伯神奈川県人会が要望したのがきっかけ。ブラジルから届いたイッペーの木の贈呈式(小田原市内に植樹予定)なども行われるという。二宮金次郎と言えば勉学の象徴。この像を見て、若い日系子弟がより学業に励むことは間違いなし!?
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 商議所の経済情報担当者として知られた稗田節雄さんが二十七日に亡くなった。日系ラジオ番組の翻訳から始まり、パラナ新聞、旧日伯毎日新聞、最近ではサンパウロ新聞など、顔は知らなくても、邦字紙の読者の多くが稗田さんの文章に触れてきたことと思う。パラナ・アサイの生まれだが、記者も長く移民一世だと思い込んでいたほど、日本語だけでなく、そうした雰囲気がにじみ出た人だった。日伯毎日時代を知る新聞社の上司によれば、日本語は独学だったという。定年退職し、これからさらに熟練のブラジル解説を期待していただけに、残念でならない。冥福を祈りたい。

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