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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年12月10日付け

 皇后さまは十月二十日のお誕生日に際し、宮内記者会からの「この一年を振り返って特に印象に残られた出来事について」との質問に、「四月には日本で、六月にはブラジルで、移民百周年が盛大に行われ、日伯関係が改めて強い絆を確認しつつ、新しい一歩を踏みだしました」とお答えになった。日系社会は忘れられていない、と心強く感じたものは多かった▼四月に両陛下は〃ブラジル・タウン〃群馬県大泉町をご訪問になった。デカセギ帰伯逃亡事件が問題化し、日本国民からの印象が悪化していた折だけに、百周年への決定的な〃追い風〃となった。皇后さまはデカセギと会話され、子供がいることを聞くと「おめでとう。ブラジルと日本の架け橋になるお子さんですね」(読売新聞四月八日付け)と話された。デカセギ子弟は問題ではなく、祝福される存在になった▼天皇陛下も四月二十四日の東京百周年式典で、「ブラジルにおいて日本からの移住者が温かく受け入れられたのと同様に、今後とも、日本の地域社会において、日々努力を重ねている日系の人々が温かく迎えられることが大切であると思います」と述べられ、居合わせた日系団体代表者ら二世を感激させた。今も当地では、そのお言葉が語り草のように繰り返されている▼日系団体代表の大半が二世、三世になった現在も、日系社会の皇室崇拝はけっして衰えていない。日系団結のシンボルとしての存在は、ますます強固になってきている。皇太子殿下ご訪問がブラジル社会と一体になった形で祝われたのは、その証左だ。二十三日に陛下は七十五歳になられる。健康のご回復を祈念したい。(深)

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