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サンパウロ市でも在宅介護講習はじまる=憩の園=「ノウハウ仲間に伝えたい」第1回生32人が無事修了

ニッケイ新聞 2008年12月12日付け

 グァルーリョスにある救済会「憩の園」が二〇〇〇年から始めた在宅介護講習会。「グァルーリョスだけでなくサンパウロ市でも」との声を多く受け、今年度下半期からサンパウロ市で同講習会が始まった。リベルダーデ区の文協ビルで八日、第一回生三十二人が修了式を迎えた。
 約三カ月間にわたり計三十六時間の講習を無料で行う同講習会。会場は文協が提供、サンタ・クルース病院の全面的な協力のもと、医師や栄養士、理学療法士、作業療法士、心理学者、社会福祉士、言語聴覚士などの専門家が介護のノウハウを伝授する。
 修了式には講習生二十九人、吉岡黎明・救済会会長ほか、上原幸啓文協会長、尾崎ミルトン・サンタクルース病院院長などが出席。吉岡会長は「多くの協力を得てサンパウロ市でも始めることが出来て嬉しい」と深い感謝を表し、「高齢化が進む中、お年よりに自立した生活を促すために活躍して欲しい」と修了生らに希望を述べた。
 修了生らは、集中力を高め、頭と体の運動に良いというシニアダンスを披露。そして修了証書と、皆勤賞者とボランティアに記念品が贈られた。
 座江間ファルカさん(65、二世)が講習生を代表し、「生徒同士で情報交換ができ楽しかったし、知識や技術、情報など得たものは多く、色んな場面で役に立ててゆきたい」とあいさつすると、会場は大きな拍手に包まれた。
 上原会長、尾崎院長らのあいさつ、記念撮影後は歓談の時がもたれた。
 参加者の一人、佐野富枝アリセさん(56、二世)は八十七歳の母親の面倒を見ている。「所属する介護ボランティアグループの活動にも大いに使えますね。ノウハウを仲間にも教えていきたい」と抱負を語った。

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