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100周年記念事業=南マ州カンポ・グランデでも着々=広場、史料館、老人施設=主要3団体を中心に=州政府、銀行に働きかけ

ニッケイ新聞 2007年11月15日付け

 マットグロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ市でも移民百周年記念事業が着々と計画されている。関係者の話によれば、同市セントロ近くに日本人移民百周年を記念した広場を建設し、そこに移民史料館や初期の日本人移民をイメージした記念モニュメントを建てたい意向だ。さらに同市日伯文化体育協会の敷地内にデイケアセンターの機能や診療所を備えた「老人共生センター」を建設する構想も具体化させている。
 同市の移民百周年記念協会は十八人の役員で構成。日伯文化体育協会(中馬パウロ会長)、カンポ・グランデ沖縄県人会支部(玉城ジョルジ会長)、ベースボールクラブ(石川カルロス代表)の三つからそれぞれ六人を代表として選出。中馬氏が全体の代表を務める。
 記念広場の建設は、同市セントロの旧駅近くにある市所有の敷地(マットグロッソ通りとアントニオ・マリア・コエーリョ通り間)を希望。ここはノロエステ線の鉄道跡にあたるところで、再整備する計画だ。
 玉城会長によると、この広場に高さ約三メートルの記念モニュメントを建てたいという。日伯両国旗をモチーフにしたモニュメントの下に笠戸丸の写真を円形のパネルにして設置、その隣に日本人初期移民の家族をイメージした彫像をつくる案だ。(写真図)
 さらに同地にある古い家屋を改築して移民史料館をつくる構想もある。「でも両方とも青写真の段階。お金のこともあるので今後とも市に協力をお願いしていく段階」と玉城会長は説明する。
 このほか州政府の全面的な協力のもと、同市セントロから五キロほどの距離にある日本人会所有の土地に、「老人共生センター」を建設することがほぼ決まっている。デイケアセンターの機能やゲートボール場などの運動スペースなどを備えるもので、設計図もすでに完成済み。
 建設資金は約百万レアル。玉城会長によれば、「州は来年六月十八日までに必ずセンターを完成させてイナウグラソンをすると約束している」。
 一連のメイン事業のほかに、それぞれの日系団体が独自の記念事業を計画しており、その資金を得るためにブラジルの大手銀行に資金援助の交渉中という。
 先月十九日には三輪昭外務省中南米局長や楠彰サンパウロ総領事館領事が同地を訪れ、記念協会の代表者らとともにアンドレ・プッシネリ州知事と懇談、記念事業への協力を要請した。また協会の代表者らは同月、ブラジリアの連邦政府に援助を陳情しにいっている。

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