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谷本知美さん=歌手10周年記念コンサート=ブラジル公演報告に大喝采=坂本冬美さんも駆けつけ

ニッケイ新聞 2008年12月27日付け

 【藤崎康夫=東京支社長】ブラジル緑の大使として活動を続ける演歌歌手、谷本知美さんの歌手十周年記念コンサート(主催=文化放送)が十一月二十四日、東京・有楽町の読売ホールで開催され、ホールは、谷本ファンで埋めつくされた。
 ■歌手への道■
 中学二年のとき、これまでクラブ活動に明け暮れる毎日を送っていた谷本さんは、担任の先生に将来について聞かれ、生まれてはじめて自分の将来を真剣に考え、十四歳の少女が出した答えが「演歌歌手」であった。
 スカウトの眼にとまればと、関西演歌大賞出場を目指し、見事に予選は通過し、本大会に出場。
本大会には出場したが夢は遠く、十代で念願は果たせなかったが、夢はあきらめなかった。
 歌が聞ける仕事をと有線放送に勤務。働きながら、レッスンの日々を送った。だが、その夢も消えかかった。
 母親に歌を止めることを打ち明けると「歌を止めるのなら家を出ていきなさい」と叱咤された。
 二十四歳のとき、〃これが最後の挑戦〃と、五度目の関西演歌大賞に出場。見事にグランプリ賞を受賞し、歌手谷本知美が誕生した。
 坂本冬美さんの大ファンの谷本さんの十周年記念の晴れ舞台に、坂本さんも駆けつけ花束を手渡した。音楽界に限らず演劇人たちもかけつけ、声援を送った。
 坂本さんのから「猪俣公章先生の歌を谷本さんも二十一世紀に歌い継いでほしい」といわれ「角番」を熱唱。
■ブラジル公演報告に喝采■
「十月は、ブラジル日本移民百周年ということでお招き頂きました。二十三時間かかりましたが、ブラジルに着きますと、日系人の方々がとても親切にして下さいました。ブラジル日本人移民のことを初めて知りましたのは恥ずかしい話ですが三年前、NHKの『ハルとナツ』というドラマを見たときでした」
 ブラジル公演が決まり、谷本さんは移民について、少しではあるが勉強した、という。神戸出港のとき、ブラジル移民を見送るときの歌を谷本さんは歌った。
〈…遠き南米ブラジルに 御国の光輝かす 今日の船出の勇ましさ バンザイ バンザイ バンバンザイ…〉 
 谷本さんは言葉を続けた。
 「私には、ブラジルの家族はいません。でも、ブラジルに行ってわかりました。戦前から、遠いブラジルへ移民されて、御苦労された方がたくさんおられました。そのことを胸に刻まないといけないと……。どうぞ皆様もブラジルにたくさんの日本人、日系人の方がいらっしゃることをおぼえておいてください。お願い致します」
 会場から大きな拍手がおきる。
■緑の大使として■
「ブラジルではボランティア活動にも参加させていただきました。世界中で森林伐採が進んでおります。私は緑の大使を致しています。〃ブラジルと日本の友情の森〃に植樹してきました。十年たったら大きくなっているそうです。皆さん十年後、いっしょにブラジルに行きませんか。ツアーを組んで。ブラジル行きの貯金をしておいて下さい……」
 谷本さんの「緑の風よ あなたに届け」の歌声が流れる。地球の緑を守ろう、というメッセージ・ソングに、会場から声援の拍手が巻き起こった。

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