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ボリビア=サンタクルスでクリスマス発表会=自作の劇など多彩な演目=父兄ら3百人に成果を披露

ニッケイ新聞 2008年12月30日付け

 【サンタクルス市(ボリビア)発=坂上貴信記者】ボリビアのサンタクルス日本語普及学校(志賀美和校長)主催による恒例の「二〇〇八年度クリスマス学習発表会」が、十四日午後三時から同市内の日ボ交流協会で開かれ、父兄など関係者約三百人が訪れる盛り上がりを見せた。
 サンタクルス中央日本人会(島袋正克会長、会員約百五十家族)の傘下団体である同校は、一九七〇年代初め頃に日本語教育を目的として設立。幼稚部、一組から八組(五~十四歳)と分かれており、卒業時には日本語能力試験二級合格を目標にしている。現在の生徒数は約百人で、うち約四割は混血だという。
 四月から三月までの毎週土曜日に授業が行われており、ボリビアの学校が夏休みになる十一月から一月までの間は、平日の午前中を使って授業を実施。五月の「母の日」とともに、十二月の「クリスマス学習発表会」で父兄に日頃の勉強の成果を発表している。
 今年の発表会では最初に、幼稚部のちななおみさんとおおしろみえさんが壇上にあがり、「今日のために一生懸命練習してきました。最後までしっかり見てください」と日本語であいさつした。
 続いて発表に移り、幼稚部による「おもちゃのチャチャチャ」の踊り、二組の劇と歌「おむすびころりん」、四組による朗読「三匹のこぶた」のほか、劇を披露した一組の「おおきなかぶ」、四組の「おおかみと11匹の子ヤギ」、六組の「へんなクリスマス(自作)」、七組の「ふろたろう(自作)」、八組の「世界のトップタレント(自作)」など様々な催しが披露された。
 中でも、六組以上の生徒たちは、自分たちでストーリーを考えた劇で、内容にも工夫をこらし、来場者からは時折大きな笑いが起こったり、拍手が送られていた。
 学習発表の終了後には、クリスマスの曲が流れるなか、サンタクロースから生徒ひとりひとりにプレゼントが配られ、生徒たちは笑顔を見せていた。
 子供の発表を見学するために訪れていた前田秀喜さん(57、長崎県出身、同市在住)は「二世や三世の子供たちが楽しく歌って、踊っているのを見ると嬉しくなる。会話に不自由がないくらいは日本が堪能になってほしい」と期待を込めて話した。
 同校で約三十五年間日本語教師をしている志賀校長(67、高知)は発表会を終えて、「立派なものにしたかったが、準備が一週間と時間がなく、練習不足で反省しなければならないことがたくさんあった。その中でも、生徒たちは一生懸命がんばった。家族の人たちには生徒を励ましてもらいたい」と振り返った。
 最後には、生徒たちが演奏するピアノの音色を聞きながら、家族みんなが焼き肉に舌鼓を打っていた。

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