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沖縄系2団体=合併から「統合」へ=団体残して活動を統一=新定款草案、臨時総会で承認

ニッケイ新聞 2009年1月13日付け

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)の臨時総会が十一日、同会館の会議室で開かれた。ブラジル沖縄文化センター(ジアデマ市、与那嶺真次理事長)との合併問題に関して、両団体の名前を残したまま組織と活動を実質的に統一する「統合」の方針であることが報告され、そのための新定款草案が審議された。総会は午前九時半から五時間近く続き、条文の細部に修正を施すという条件付きで草案を承認。同日午後には文化センターも臨時総会を開き、同様の条件付きで草案を承認した。今年から両団体の定期総会は合同での開催となる。予想を超えて二年以上の歳月を費やした両団体の合併構想。ようやく、あと一歩まで近づいたようだ。
 七一年に文化センターが県人会から分離して以来、別々に活動を続けてきた沖縄系二団体。三十年以上を経てセンターが〇五年十二月、県人会が〇六年二月の総会でそれぞれ合併の方針を決議した。
 〇七年から両団体でトップをはじめとした定款改正検討委員会を設置し、具体的な検討を開始。しかし、合併するためには既存の二団体を解消して新たな組織を設立する必要があった。
 その法的手続きに手間と時間がかかることから、委員会では弁護士など専門家の助言を入れ、団体の合併(fusao)から統合(integracao)へと方針を転換した。
 これは、二つの団体を法人格としては残しながらも、組織と活動を統一するもの。
 両団体の定款の内容をそろえる必要があることから、センターの定款にはそれまでなかった評議員組織に関する条項などを追加。県人会の定款には、それまでの正会員に加え、センター特有の「施設使用会員」(活動に参加できるが、選挙権・被選挙権はない)に関する条項などが新たに加えられた。会員も二団体に所属し、両団体の活動については第一副会長が中心となって調整する。
 両団体の理事会はこれらの内容を踏まえ、二団体の役員・評議員会・監査役の共通化、総会の合同開催などを定めた内規を承認した。これにより、今年度の総会から合同開催となり、役員等のシャッパも二団体共通となる。
 県人会の臨時総会には五十九人が出席。与儀会長のあいさつに続き、検討委員の崎間達雄氏(第三副会長)を議長に選出した。議長から新定款草案作成の経緯などが説明された後、日ポ両語で草案の内容、改正点などが説明された。
 その後の質疑応答では出席者から、二種類の会員資格を設定することの妥当性についての質問や、草案における県人会の名称「ブラジル沖縄県人文化福祉協会」、日本語版定款の表現などについて検討・修正を求める声が上がった。草案では第一書記の担当となっている事務局業務の統括について、事務局長の役割を明記すべきとする意見もあった。
 この日は創立当時から文化センターの発展に尽力してきた関係者も出席し、意見を述べた。センター創立者の故・花城清安氏(元県人会長)の息子、花城清賢ジョルジさん(元理事長)は、センターの名前を残して統合が進められたことを喜ぶとともに、定款委員会の仕事を労い、「(花城家の)家族を代表して賛成したい」と賛意を表した。
 最終的には、今後定期総会までに検討・修正を加えて行くという条件で草案承認を採決。出席者全員の挙手で承認された。
 閉会にあたりあいさつした与儀会長は、感謝とともに、「二つの団体の理想は同じ」と喜びを表し、「これからさらに絆を強め、前へ進んで行きましょう」と呼びかけた。
 この日行われたのは草案の承認のみ。現行の定款では会員の三分の一の賛成が必要で定款改正が成立しないため、同会では総会を延長して必要数を満たす承認を集めて行く方針だ。
 午後三時半からは同所で文化センターの臨時総会が開催され、センター側の新定款草案を審議。同様の条件付きで全会一致で承認された。

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