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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年2月7日付け

 ペルーから南洋群島を経てブラジルに骨を埋めた故・宮坂国人氏は南米銀行を創立し、生涯を日本人移民のために尽くしたが、俳句に打ち込む趣味の人でもあった。興に乗れば戯れ歌もよくし「アマゾンは大きな女 何処が胸やら乳房やら」は、そんな一句だそうな。確かにーあそこは大きい。最近の調査では、ペルーのアンデス山脈が源流であり、世界で最も長い河だし、流域面積も一番広い▼あのジャングルと大河には日本列島が20個もすっぽり入るのだから凄い。ベレン沖合の河口に浮かぶマラジャス島は、インディオの見事な焼き物で知られるけれども、あそこの広さは九州と同じなのだから驚く。アマゾンには満満と水が流れ、さながら網の目のように交わる支流に取り囲まれた密林は、酸素をつくり空気を綺麗にする。けれども、近頃は開発という名の乱伐で危機に陥っている▼この地球のなかで最大の酸素供給地とされる熱帯雨林を守れ!の声は高い。環境学者だけではなく、政治家たちの叫びもあるし、いろんな国々から森林破壊への非難は強い。だが、アマゾンの大河と接するブラジルやペルー、ベネズエラ、ボリビアなどの政府が農地拡大を禁止するような規制を強化しても、あまり効果は期待できない?▼国連環境計画によると、2000年から2005年までの5年でアマゾン森林は87万5000平方キロ喪失したの報告書を発表しているし、他の調査もほぼ同じ内容である。と、「緑の地獄」がすでに危険な状況にあると警告するのだが、開拓への斧の響きは絶えない。 (遯)

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