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デカセギ帰国希望者に旅費=岐阜県が支援融資制度を設置

ニッケイ新聞 2009年3月6日付け

 岐阜県は五日、母国への帰国を希望する県内在住のブラジル人に対し家族全員の帰国資金を融資する制度を設けると発表した。
 この「岐阜県在住日系ブラジル人離職者帰国支援融資制度」は、同県が東海労働金庫(名古屋市)と連携してブラジルへの航空券購入費用を無担保・無保証で融資するもの。利息は年利一・五%で、融資を受けた人が三カ月据え置き後五年間で分割返済する。現金でなく、帰国当日に空港で航空券を渡す方式で、帰国時期は三月下旬から四月上旬ごろ。
 〇八年八月から同県内に住むブラジル国籍者が対象で、▼事業主都合により解雇され現在も失業中、▼預貯金、資産がないことなどが条件となっている。
 県では十日に大垣市、十二日に美濃加茂市でそれぞれ説明会を開く。
 岐阜新聞、読売新聞、中日新聞などの報道によれば、帰国希望者は七百人ほどいるとみられている。融資額は一人あたり十二万円程度で、事業規模は約一億円。
 中日新聞によれば、回収不能分については、県が外郭団体、県国際交流センターを通じて穴埋めするとしている。
 各紙の報道によれば、自治体による外国人の帰国支援は初めて。一方、四日付け読売新聞には、今後雇用保険の給付が終わった日系ブラジル人が生活保護を求めた場合、自治体の負担が年間約二億三千万円増える可能性があると報じられており、今回の支援事業には財政的な側面もあるようだ。

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