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「さんしんの日」賑わい=7百人が沖縄芸能満喫

ニッケイ新聞 2009年3月7日付け



 沖縄県で毎年三月四日に開催される芸能祭「さんしんの日」にちなんだ琉球芸能イベント「ゆかる日・まさる日・さんしんの日」が一日午後、サンパウロ市の沖縄県人会館で開かれた。
 ブラジルの琉球芸能団体が総出演する同イベントは、二〇〇六年に第一回目が開催されて以来順調に続き、今年で四回目を数える。母県では十七回目。
 当日午後一時から行われた開会式で知念直義実行委員長は、近年三世、四世の民謡愛好者が増えてきている現状を喜ぶ一方で、古典音楽愛好者の減少に憂慮を表わし、「今後も三線文化の継承と普及には一層の努力が必要」とあいさつ。あわせて、開催にあたっての関係者の協力、来場者へ謝意を表わした。
 県人会の与儀昭雄会長は、「これからも三線、舞踊など愛好者の皆さんとともに沖縄文化を盛り上げ、若い世代に続けていきたい」と語った。
 イベントは「かぎやで風節」などの合同演奏で幕開け。古典、民謡、舞踊、エイサー太鼓など、休憩を挟んで十六の演目が披露され、初心者からベテランまでのべ四百人以上が出演して舞台を彩った。
 我が子・孫の晴れ姿を見に来た来場者も多く、子供の発表になると会場からは温かい拍手が送られていた。
 当日はまた、本紙でも報じた二百年以上前の琉球王朝時代の作と見られる三線も展示され、来場者の注目を集めていた。
 開幕当初はまばらだった来場者も次第に増え、七百席が満員になる盛況ぶり。県系バンド「トントンミー」やブラジル滞在中の歌手、具志恵さんなども出演し、午後八時半にカチャーシーで盛況のうちに終了した。
 知念委員長はにぎわう会場で、「百周年で熱が冷めるかとも思ったが、思っていたより盛大。まだまだ沖縄の芸能に対する熱意があると感じた」と満足そうな表情を見せていた。

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