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在日外国人の雑誌創刊=多文化情報誌「イミグランツ」=石原進編集長が来伯講演

ニッケイ新聞 2009年3月14日付け

 在日外国人の課題を多角的にとりあげる多文化情報誌『イミグランツ』が今月から創刊される。発行する(株)移民情報機構の代表取締役、石原進編集長(57、神奈川県出身)が十三日に来社、主旨などを説明した。創刊号は一万部。今後、季刊で発行していく予定。
 元毎日新聞論説副委員長で、外国人政策研究所理事なども歴任する石原氏。「これから外国人への関心が高まる。日本人にとって非常に重要な問題。在日外国人の歴史を掘り下げていけば、日本の多文化が見えてくるはず」との展望を持っている。
 「将来は移民基本法、移民庁などを作り、移民国家として最低限の法的処置を整備していくことになるだろう。そのためには政治家のリーダーシップと国民のコンセンサス(共通認識)が必要」。その共通認識を広めるために雑誌を創刊した。
 創刊号では、ルイス・C・ネーヴェス駐日ブラジル大使への緊急インタビュー、特集「日本型移民政策を考える」として河野太郎衆議院議員と坂中英徳外国人政策研究所所長の対談、「多文化情報を発信するエスニック・メディア」としてアンジェロ・イシ武蔵大学准教授ら三人の専門家の討論も掲載。
 ブラジル関係では「踊るブラジル日系社会」としてYOSAKOIソーランが日系社会に広まっている現象を研究した渡会環上智大学大学院研究員の記事や、昨年六月にサンパウロ市内公園に百周年モニュメントを作った彫刻家の絹谷幸太さんのインタビューもある。
 さらに「各国の海外邦字紙との連絡を密にし、日本におけるエスニック・メディアの交差点にと考えている」という。
 今回は、十四日午前九時半からサンパウロ市ニッケイパラセホテルで開催される、国外就労者情報援護センター主催のデカセギ・シンポジウムで講演するために八日に来伯した。デカセギ関連のNGO活動を視察し、十五日に帰国の途につく。

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