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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年3月28日付け

 政界のドン故金丸信自民党副総裁から「乱世の男」と評され、総理総裁を目指す有力者らと面談し故宮沢喜一氏を選んだのは、話題の献金疑惑で渦巻く民主党代表の小沢一郎氏である。公設秘書で金庫番が逮捕され東京地検は起訴に踏み切ったが、小沢氏は「代表は続投する」と記者会見で語り新聞の大見出しとなったのはご存知の通りである▼だが、これには第2報が続く。この口上を述べるときに「目に涙」しながら「神妙に謝罪」したそうである。言うまでもなく、検察側の捜査については大いなる不満があり「納得できない」と反論している。だが、西松建設から献金があったのは事実だし、それも東北地方の公共工事絡を受注するための資金提供となれば、師と仰ぐ金丸信氏の数十億円とかの金の延べ棒とよく似ている▼勿論、民主党にも辞職論はある。若手からは「これでは選挙が戦えない」の激論が党内に谺し、幹部にも「辞任すべき」の主張も多い。鳩山由紀夫幹事長ら執行部は、なだめ役に徹しているけれども、党内の反発は想像を超えるほどに大きい。それに―剛腕政治家・小沢代表も、今回は極めて「灰色」に近い▼選挙には強く、自民党を離党し細川護煕内閣を造った張本人なので確かに乱世に力を発揮する。今も、自民から政権をもぎ取ろうと懸命に党の候補者を応援しているけれども、先ずは身に振り罹る火の粉を振り払い、誰しもが納得するような説明を果たすべきではないか。世論調査では、国民の大多数が「代表辞任」を求めている。これらの声をよく汲み取って自らの進退を決めて欲しい。   (遯)

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