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文協総会・評議員選挙=体制33、再生21、チェンジ17=649投票分が有効=出席者は100人割る

ニッケイ新聞 2009年3月31日付け

 ブラジル日本文化福祉協会の総会が二十八日午前九時から文協小講堂で開催され、会員投票による評議員選挙が行われた。九十六人(うち委任状十三人)のみが出席するという淋しい結果となった。今回選出された五十人が四月二十五日の評議員会で行われる理事会選挙への投票権を持つことになる。〇七年に選出された五十評議員のうち二十五、今回は二十四の評議員が企業・団体から選ばれており、全体では、個人と団体が約半数となった。

 選挙日前日、金曜日までの投票数は六百九十二票(うち会費未納四十三、差出人不明三)で有効票は六百四十六票。
 当日に投票された二十三票を合わせた六百六十九票が開票されたが、無効票十五、白票五があり、最終的な有効票は、六百四十九票。
 会員のなかから選出された桂川富夫、木多喜八郎、諸川友朋、関根隆範、小山昭朗の五氏が監査役となり、投票締め切りとなった午前十一時から、総会会場となった小講堂の階下にある展示室で開票作業が行われた。
 コンピュータシステムの故障などの影響から、午後三時に最終的な集計が終了、当選者が発表された(本日付け八面に選挙結果のリストを掲載)。

【解説】歩み寄る反体制派=一騎打ちの会長選か

 現執行部を支持する『体制支持グループ』、高木ラウル、谷広海両氏らを推薦人とする『文協再生グループ』、小川彰夫氏を代表とする『チェンジ文協』など各派が今月中旬に発表した推薦者リストによると、『体制』が三十三票、『再生』が十七票、『チェンジ』が二十二票を獲得している。
 「団体評議員が多くなり喜んでいるが、個人評議員を信じられないという会員の思いでもある。文協をどうするか、今こそ考え直すとき」と話す小川氏は、「次の会長選挙は(前回のような)三つ巴はない」と再生グループとの連携も示唆、体制打倒の考えは揺るがない。
 一方、「非常にがっかりしている」と話すのは谷氏。「あまりに投票者が少なく、総会に出席する会員も百人おらず、毎年減っている」と文協の将来を憂える。
 中沢宏一、小山昭朗、諸川有朋各氏など、『再生』の有力メンバーが投票権のない補充評議員となったことを残念がりながらも、「小川さんの考えがよく分からないが、これから話さねばならない。そうでなければ、現体制が得するばかり」と小川氏との思惑は一致している。
 数歩リードした形に見える『体制』だが、三十三評議員のうち、半数以上の十八人が他派も支持する〃レロレロ〃だ。
 もちろん、戦略上の理由もあり複数の推薦を得ているわけだが、十八(体制)、四(再生)、五(チェンジ)が単独推薦を受けた当選者。
 反体制の両派が連立し、体制側が立てる次期会長によっては、流動票が多く出る可能性もあると見られる。
 理事会選挙が行われる評議員会の開催は今月二十五日。定款上、シャッパの提出日である十五日までが正念場といえるだろう。  (剛)

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