「派遣切り許すな」とデモ＝広島＝日系ブラジル人の姿も

ニッケイ新聞　２００９年４月１日付け

　【中国新聞】景気低迷で職を失った元派遣社員たちが三月二十九日、広島市の中心部約一・二キロをデモ行進し、「企業の都合による『派遣切り』を許すな」と訴えた。
　弁護士や社会福祉士たちでつくる「反貧困ネットワーク広島」が主催した。デモ行進を前にした集会では、失業中の広島県坂町の男性(４２)が「家賃を払うのが大変。再就職のために技術を学びたいが、できない」と無念さをにじませた。マツダの下請け企業で働いていた日系ブラジル人の姿もあった。
　厚生労働省によると、昨年十月―三月末に職を失う非正規労働者は県内で約三千九百五十人に上る。夫婦とも失業中の別の日系ブラジル人の女性(５３)は「母国に帰る場所はない。どうしたらいいのか」と嘆いていた。