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日系ブラジル人生徒の学費延納=高崎の私立高が救済措置=群馬県

ニッケイ新聞 2009年4月7日付け

 【共同】群馬県高崎市の学芸館高校(通信制、私立)が二〇〇九年度から、経済的に苦しい日系ブラジル人生徒の学費延納を認めることが四日、分かった。
 不況で職を失う日系人が急増する中で、生徒が学業を継続できるようにするための措置。在日外国人が奨学金制度を利用するのが難しい現状で、画期的な制度となりそうだ。
 学芸館高校は、ブラジル政府認可のブラジル人学校「日伯学園」(同県大泉町)と提携し、日本の高校卒業資格を取得できるコースを設置しており、延納を認めるのはこのコースに新規に登録する生徒が対象。
 学芸館高校の学費は三年間で計約七十五万円で、毎月約二万円。一年後に再び経済状況を検討し、支払いが困難な場合は貸与に切り替え卒業後の返還も可能にする。
 日伯学園に対しては生徒は毎月一万五千円の学費を支払う。
 両校によると、二〇〇八年度から始まった同コースには日系ブラジル人二人が在席、うち一人は父親が失業し帰国したため退学。〇九年度については約十人の入学希望が寄せられたが、保護者の失職などで辞退するケースが相次ぐなど、日系ブラジル人をめぐる教育環境は悪化の一途をたどっている。

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