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不況の今こそ日本語を=日本語センター通常総会=教師養成と普及に重点=帰伯子弟の再適応支援も

ニッケイ新聞 2009年4月24日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は、十八日午後一時半から第二十一回通常総会を行った。会員ら八十八人(委任状四十一通)が出席。今年も日本語普及、教師養成などに力を入れていく方針が確認されたほか、不況で帰伯するデカセギ子弟の再適応支援にセンターとして取り組むことも決まった。
 谷理事長は開会挨拶で第九回速成塾研修の報告を行い、「今後は非日系人を対象にした日本語の普及にも力を入れる」と方針を掲げた。さらに日本語教師養成研修に段階付けをして、教師の実力アップをはかることも検討しているという。
 谷理事長は、不景気によりデカセギが減少し日本語への学習意欲が低下しているが、この状況下で日本へ渡るためには逆にきちんとした日本語の修得が必要になると強調。今こそ日語センターの価値を高めたいと力強く語った。
 各理事により二〇〇八年度事業および会計報告、〇九年度事業計画案・予算案が発表された。
 〇八年度会計は収入約百八十六万六千レアルで、支出約九十七万レ、約八十九万五千レを繰越し。〇九年度予算は約百八十九万レを予定している。
 今年度の事業計画としては、地方研修を増やした教師養成研修、日本語普及のための宣伝活動、日語センターの経済基盤強化の三点に重点的に取り組むとの方針が示された。
 また、岡野脩平評議員から日ブラジル際大学準備状況の報告が行われ、今後も大学設立に努めると説明がなされた。
 総会の終わりには谷理事長から、日本就労者帰国子女の支援に関して今後どのように対応するかが議題にあげられた。
 不況で帰国するブラジル人が増える中、帰伯してもポ語がわからない子供が増加し、適切な対応が迫られている。日語センターでは、すでにそういった子供たちから様々な要望があがっているという。
 議論の末、ホームページ上での事例の提示、相談の受け付け、具体的な学校の紹介等を介して「公の形」で支援を行い、「帰ってきた子供たちのブラジル学校への復帰を支援する」ことが決定された。

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