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青空に泳ぐ鯉のぼり=オザスコ文協運動会=今年も2千人で盛大に

ニッケイ新聞 2009年5月7日付け

 毎年多くの来場者で賑わうオザスコ日伯文化体育協会(荒木進会長、ACENBO)の第四十五回家族慰安大運動会が三日、同協会運動場で盛大に開催された。
 当日は午前中から気温が上昇し、日陰にいないと汗ばむ程の陽気。近郊から自家用車で次々と来場し約二千人(主催者発表)が会場を埋め尽くした。色鮮やかな鯉のぼりが秋空にはためく、絶好の運動会日和となった。
 同運動会は全三十種目。参加人数の多さから何十回も繰り返し行われたり、同時に開始したりする競技もあった。
 子供達が麻袋に両足を入れて飛び跳ねながら走るカンガルー競争では、体の半分以上が隠れてしまう子供もおり、大人が持ち上げてゴールするシーンもみられた。
 一輪車の台車に人を載せてトラックを走る重荷運び競争では若い人から年配の方まで各自のペースで参加していた。途中、バランスが崩れて転ぶシーンもあり、会場の笑いを誘っていた。
 オザスコは参加人数も多いが景品の数も多い。今年は約五千五百個を用意し、油や塩、砂糖、ノートなどが参加者に配られた。
 日本語学校の運動会から始まったという同運動会。オザスコ文協顧問の川合昭さんは、「三歳から百歳まで参加できる自慢の運動会。今の運動場はオザスコ市からいただいたもので、相撲、陸上、野球、バドミントンなどに力を入れ、外から人が来るのを拒まず、外部に伸びようと思って活動してきたので参加者が多い」と説明する。
 会場では『ACENBO』の文字が入った揃いのTシャツを着た若者が積極的に手伝い、運営している姿が目立った。二世の荒木会長は「オザスコの運動会はじぃちゃん、ばぁちゃんから始まっている。若者が準備から当日の案内まで全てやってくれる。四十分で片付けられるのも自慢です」と嬉しそうに話していた。
 会場では婦人部により弁当、天ぷら、お寿司、うどん、パステルなどが販売され、長い列が出来ていた。
 午後の部は、太鼓部による和太鼓演奏で開始。一糸乱れぬ演奏で観衆を魅了した。午後も競技への参加人数は多く、百メートル競争や嫁探し競争では十人が一斉にスタートし十数回繰り返された。
 参加者の大滝福島セシリア貴美子さん(38、二世)は「生まれてからずっと参加している。日本語学校、青年会など全て経験してきました。昔は弁当を持ってきて、案内やプログラムもすべて日本語で、子供達ももっと多かったですね」と話し、「(運動会では)同級生がお互いに子供を連れてきて、みんなに会えるのが楽しみ」とその魅力を語った。

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