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渡部和夫氏の功績称え=「ブラジル民事訴訟の変遷」=USP法学部教授らが執筆

ニッケイ新聞 2009年5月27日付け

 学術書「ブラジル民事訴訟の変遷」の刊行記念式典が二十日午後七時から、サンパウロ市ラルゴ・サンフランシスコのサンパウロ大学法学部ヴィスコンデ・デ・サンレオポルド広間で開催された。同書は元サンパウロ州高裁判事で同大法学部教授、弁護士の渡部和夫氏を顕彰するため同学部教授らによって執筆されたもの。式典には約三百人の関係者が訪れ、渡部氏の功績を称えた。
 日系人として初めてサンパウロ州高裁判事となった渡部氏。一九九九年には慶應義塾大学より名誉博士の称号を授与されている。
 今回出版された「ブラジル民事訴訟の変遷」は、渡部氏の退職にあたって編集された。カルロス・アルベルト・デ・サーレス同学部教授がコーディネーターとなり、四人の日系法律専門家(原田清、小松ロッケ、花田ネルソン、シムラ・セルジオ各氏)を含む五十七人の大学関係者らに協力を呼びかけた。
 それぞれが各項目を担当し執筆。渡部氏の研究をふまえて民事訴訟法の消費者権利などについて記された全千百二十七ページの大著だ。
 式典では編集に関わったサーレス教授、アダ・ペリグリーニ同学部教授が渡部氏に祝辞を述べた。
 サーレス教授は「編者が途中で交代するなど苦労もあったが、ついに完成させることができた。恩師に捧げたい」と出版を喜ぶとともに、「渡部教授は教育分野においても偉大な貢献をした」と称賛した。
 渡部氏はスピーチの中で、「夢が現実になり、人生で最高の瞬間。今まで支えてくれた家族、友人、編集関係者の方々に深く感謝したい」と話した。
 同書はクアルティエール・ラチン出版社から出版された。一冊二百十六レアル。

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