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東西南北

ニッケイ新聞 2009年5月30日付け

 サンパウロ州ボツカツで、聾唖で一人では歩くことも出来ない七〇歳の婦人の世話係が、婦人への暴行で家族から訴えられていた件で、容疑者の弁護士が事実を認め、精神鑑定を要請した。母親の顔や体の青アザを不審に思った家族が、二月末に隠しカメラで撮った映像が決定的な証拠となった。肉体年齢は三三歳で、精神年齢は三~六歳と担当警部はいうが、幼児の残虐性に三〇代の力が加わった暴行の映像は、見る者の背筋を凍らせる。
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 二十九日付本欄で報じたピアウイ州のダム決壊は、二週間ほど前に亀裂が見つかって地域住民も避難していたのに、工事担当者が住民の帰宅を許可した後の二十七日に発生。二十九日現在、死者五人、行方不明四人、三千人が避難所か親戚などに身を寄せているとG1サイト。五〇〇億リットルの水が家や家畜、電柱などを押流し、停電は三十一日まで続く模様。
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 サンパウロ州教育局が配布した小学三年生用と六年生用向けの副読本でまた問題個所指摘。現場の教師が指摘するまで問題に気づかないというのは、書籍選択者や認可した教育局担当者は配布前に目を通していない証拠か。我が子が読んだらと考えながら選ぶ位の心遣いがあったら起きずに住んだトラブルのはずだが、当事者のみならず、担当者を選任する者など、上に立つ者の責任の重さと配慮の必要を痛感する。
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 新型インフルエンザの真性患者一一人目がサンタカタリーナで確認された後、サンパウロ州でも新たに三人の罹患が判明と二十九日のニュース。四人とも米国帰りの旅行者で、年齢や居住地は公表されていない。米国に旅行する予定の級友がいると聞いて不安顔の学生を笑い飛ばせなくなってきた。

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