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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年6月6日付け

 乗員乗客228人を乗せたエールフランス機が墜落し全員が死亡の惨事が起こり、世界の人々が驚いた。事故の現場は「靴墨入れ」の異名を取る気象がよく乱れるところであり、空や海の関係者にとっては「要注意」とされる。仏機がパリに向かう予定だった空路の下にはカナリア諸島があり、そこのテネリフェ島の空港でアメリカとオランダの旅客機が衝突し583人が死去するという最悪の事故もあった▼1977年のことであり、このときも天候が悪かった。今回の仏機も乱気流が酷く、異常な状態だったらしい。雷が落ちたの説もあるし、いやテロ攻撃の犠牲だと姦しいが、やはり乱気流説が有力である。強い気圧の関係で機体が上下や左右に揺れ、酷いときにはあの大きな飛行機がバラバラになってはじけ飛んでしまうそうだ▼ブラシルの艦船や航空機が、現場付近の海面で座席や機体の残片を発見しているけれども、付近の海の深さは2―3000メートルといわれ遺体などの発見は難しいのではないか。史上最悪の事故である日航の御巣鷹山墜落では520人が犠牲になった。あの「上を向いて歩こう」の歌手・坂本九さんも乗客だったが、検死された遺体総数は2965体に上った▼墜落事故の遺体1人にかかる衝撃は980トンと言われ、広島原爆の爆心地にいた犠牲者の28倍に相当する。これから見ても、遺体が見つかったにしても、個別的な識別は不可能であろう。異常な気圧や暴風という天変地異ではあったけれども、死に追いやられた人々は「無念」の思いしきりだろうが、今はご冥福を祈るしかない。   (遯)

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