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ニシンもイカもたちまち完売=サンパウロ市=第14回北海道まつり=6百人来場のにぎわい

ニッケイ新聞 2009年6月9日付け

 ブラジル北海道協会(木下利雄会長)主催の「第十四回北海道まつり」が、五月三十一日午前十一時から北海道交流センターで盛大に開催された。当日は一階大ホールに机と百八十席分の椅子が並べられ、来場者はニシンの他、焼きイカやハマナス会(婦人部)が作る北海ちらしなど北海道の味に舌鼓。その他、手巻き寿司やいちご大福、あんみつ、ヤクルト林檎、どら焼きなどが販売された。約六百人(主催者発表)が訪れ、家族連れも多く大変な賑わいをみせていた。
 祭りの名物は北海道から取り寄せた「焼きニシン」。炭火焼きの香ばしいにおいが会場に立ち込める。
 十一時の開始直後から長い列が出来、午後一時過ぎの完売の時点まで客足が途絶える事はなかった。四百尾のニシンは北海道協会の「おやじ会」(壮年部)と「ひぐま会」(青年部)の面々が煙に燻されながら、一尾三百グラムのニシンを炭火を使い、焦げ目がつくまで丁寧に焼く姿がみられた。
 ニシンを食べた有村ノリアキさん(45、三世)は「川魚とは違う味で、大きくて美味しかった」と感想を語った。マスクをしながら煙と奮戦していた北野春男さん(40、四世)は「卵も入っているし、中まで火を通すのが難しい」と話す。
 自らも会場の中を足早に動き回っていた木下会長は「焼きニシンは八~九年前から始めた。率先して若い人に焼かせているが、回を重ねる毎に焼き方も上手になっている」と語った。
 会場ではビンゴ大会やYOSAKOIソーランも披露され盛り上がりをみせた。祭りの進行を務めたひぐま会会長の藤田高史エリオさん(29、二世)は「北海道の文化を大きくし、残していきたい一心で準備してきました。思いは二世も三世も四世も一緒」と語った。
 木下会長は「今年も大勢の人が来てくれた。若い人が百人位手伝ってくれて成功できた。ありがたい」と語った。同会にとって今年は北海道人移住九十周年、協会創立七十周年、会館落成十周年の節目。八月三十日の記念式典に向け弾みのついた格好で祭りを締めくくった。

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