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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年6月23日付け

 日本では「古着屋」が繁盛したり、小学校や中学校では「料理教室」が人気らしい。日清製粉やカゴメなど企業の社員が、先生になり食べ物について講義すると子どもらは大喜びするそうだ。あの「味の素」の山口範雄社長も母校の小学校で「鰹節は世界で一番硬い食べ物です」や昆布を紹介すると「こんなに大きいんだ」と驚き、山口社長も「またやってみたいですね」とご満悦だとか▼山口社長は和食の「出し汁」について語ったのだが、面白いのは鰹節と昆布について話したことである。あの魔法の「味の素」は東大教授の池田菊苗博士が明治41年かに発明したものだが、あの旨みは昆布を煮出して引き出したものであり、グルタミン酸とかが美味の素とされる。確かに鰹節と昆布は和風料理の基本であり、清汁も蕎麦の「つゆ」にも、この二つは欠かせない▼勿論、大根や里芋の煮物もだし、刺身を食べるときの「土佐醤油」と日本料理ではどうしても必要なものなのだ。今は「本だし」などの調味料があるのでとても便利ながらーあれもベースになっているのは「味の素」ではないかな?と疑ってみたりもする。さてーその昆布だが沖縄の消費量が日本一なのである▼あの県は南国であり、昆布は生育しない。それでも豚肉と一緒に使い長寿の秘訣ともされる。恐らく、江戸時代の北前船によって蝦夷(北海道)から運ばれてきたのを利用したのが始りではないか。日本海を通じ大阪と蝦夷を結ぶ北前船は銭屋五兵衛や酒田の本間家とかの富豪を育てたが、昆布と身欠き鰊の輸送にも大いなる功績があり「富の船」だったことも忘れまい。 (遯)

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