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先人に敬意表わす移民の日=パラナ州=ロンドリーナで慰霊法要=80歳以上百人で敬老会

ニッケイ新聞 2009年6月27日付け

 【ロンドリーナ発】ロンドリーナ文化体育協会(アセル)高齢者会、アセル評議会、Kumisコーディネーター(同文協にある各組の世話人)の共催による「移民先亡者慰霊祭」が、二十一日午前十時から同市のアセル会館で行なわれた。敬老会もあわせて開催され、約三百人が出席した。

 一同起立し合掌、礼拝、一分間の黙祷から慰霊祭は始まった。
 広岡栄吉アセル会長は、「最初の笠戸丸移民の苦労が現在の日系社会の発展につながった。本日は先亡者に敬意を払う記念すべき日にしたい」とあいさつした。
 平間靖旺アセル評議委員長は、「先亡者はブラジルで日系子弟の信頼を高め、優れた人材を輩出してきた。尊敬と感謝の念を忘れてはならない。アセルも強い活動意識をもちブラジルに貢献していきたい」と述べ追悼の辞とした。
 ロンドリーナ西本願寺の中山哲也氏が今年も導師を務めた。読経が行なわれる中、参列者は会場中央の位牌を前に一人一人が焼香した。
 笠戸丸移民船最後の生存者、故中川トミさんの弟・西村光雄さん(93)、笠戸丸移民の家族で妻のとめさん(85)も出席した。
 とめさんは「毎年このように先亡者を思い出していきたい」と穏やかに話した。
 ロンドリーナ市議会を代表して出席した田村ジャイロ市議は、来賓あいさつで「輝ける日系社会を築き上げた先亡者の名誉を称え今日を祝う。中川トミさんにも敬意を払いたい」と述べた。
 同市の日本移民百周年祭典委員長を務めた吉井篤氏は、「規律、強い責任感は日系社会の強みである。これを受け継ぎ日系人の力を見せつけていこう」と力を込めた。
 閉会のあいさつに立ったアセル顧問の平沢正人氏は、「先亡者を盛大に弔えたのもアセル組織がしっかりしているから」と敬意を表わすとともに、「今後も皆で協力していこう」と呼びかけた。
 当日、会場の外では籾(もみ)を使ったモザイク画が特別に展示された。
 移民百一周年記念に向けて植田安晴さん(72)と後藤英子さん(65)が企画し、金城ロベルト同市議など十六人の協力を得て製作されたもの。
 移民船「笠戸丸」や当時の農園の様子、移民の出身県マーク、日系団体会館などをモチーフに二十五枚が製作された。慰霊祭のために日本語の説明文も付け加えたそうだ。同地の農産品評会でも展示された。
 植田さんは「日系コロニアの歴史を伝えることに役立てば」と話した。
 慰霊祭に続き、正午から敬老会が開かれた。
 参加者約三百人のうち、八十歳以上は約百人。当日は八十歳以上の人に記念品、九十五歳以上の人に植田さんらによるモザイク絵画が贈られた。
 組に入っている人の中で、同会最高齢者は百歳の第六組松本次郎さん、第六組福田ミヨさん、第十六組中西義雄さん。
 六十五歳以上が入会する同高齢者会には八十歳以上の人が二百八十五人、九十五歳以上が十五人という発表に会場からは「ノッサ!」という声が漏れた。
 昼食には、やきそば、おにぎり、太巻き、焼き魚などが用意された。
 元医師の尾形フランキさんが手品を披露し会場を盛り上げた。「ちょっと間違えました」と笑いを誘う場面も。
 そのほかにも、アセル歌謡部と村上舞踊会の演出で、歌や踊りが披露された。
 今年初めて敬老会に出席した中川芳則さん(80)は、「皆が元気に歳をとっているのが嬉しい。ただ、男性があまりいなくて寂しい」と話していた。
 敬老会は、午後二時過ぎに閉会。司会を務めた平間評議委員長は、「今年も盛大な敬老会となった。この先もこのように多くの人で祝えれば」と語った。

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