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『お~いお茶新俳句大賞』=ブラジルから17人が入選

ニッケイ新聞 2009年7月24日付け

 「第二十回伊藤園『お~いお茶新俳句大賞』(主催・同実行委員会)の入賞・入選作が今月七日に発表された。ブラジルからはレジストロ市の風間慧一郎さん(92)の作品が一般の部優秀賞に選ばれたのをはじめ、十七人が佳作以上に入選した。
 同賞は松尾芭蕉の「奥の細道」紀行三百年に当たる一九八九年に第一回を開催。「季語」などの俳句のルールを問わず、「心の風景」を五・七・五のリズムに乗せて表現する「新俳句」のコンテストとして続いている。
 入賞作品は、伊藤園が販売する同名の緑茶飲料のパッケージに掲載されている。
 第二十回となる今年は二月末までの作品募集に、日本国内外から約百六十四万句の作品が寄せられ、うち佳作以上七千(入賞は二千)の作品が選ばれた。
 ブラジル内ではブラジル日本文化福祉協会が作品受け付けを代行し、同協会を通じて百三十八人(八百八句)が応募。選考の結果、ブラジルからの応募作品から十七句が佳作以上に入選した。
 一般の部B(四十歳以上)で優秀賞七人の一人に入った風間さんをはじめ、三人が佳作特別賞、十三人が佳作。風間さんを含み、うち六人が九十歳以上だ。反対に若い世代では、十二歳の大津敏子さん(グァタパラ)の作品が佳作に選ばれた。
   ▽   ▽
 入選作品・作者は次の通り。(カッコ内は年齢、居住地。敬称略)
【優秀賞】
一般の部B
餅搗きは俺の出番と老移民     風間慧一郎  (92、レジストロ)
【佳作特別賞】
日本語で話す人欲し十三夜     赤木まさ子   (85、サンパウロ市)
高き山富士と名づけて移民老ゆ   木村都由子  (90、サンパウロ市)
古団扇移民の秘話をあふぎ出す  小橋矢介夫   (92、サンパウロ市)
【佳作】
おじいちゃんはかお色かえてすもう見る   大津敏子 (12、グァタパラ)
ブラジルや忘れてならぬ春の雪    浜田すみえ  (63、サンパウロ市)
やわらかな言葉はうれしねむの花  玉井邦子    (95、サンパウロ市)
風の夢巻き込んでゐる落とし文    栢野桂山    (91、サンパウロ市)
夏草や墓標は流れ来し丸太      間嶋正典    (77、ロンドリーナ)
芭蕉の句掛けて異国の夕時雨    新井知里    (70、サンパウロ市)
銀河濃し大地の移民鍬の胼胝    鈴木竜尾    (90、サンパウロ市)
薄れ行く忠孝の文字文化の日    竹田欽二    (70、ロンドリーナ)
北伯の民涙する乾季くる        斎藤早百合  (76、マウア)
失いしものに心も終戦日        柳原貞子    (73、サンパウロ市)
睡蓮のつぼみに眠る明日かな    上山泰子 (67、サンタイザベル・ド・パラー)
蒸しパンや春めく心ふくらませ     山本紀未子  (89、サンパウロ市)
多国語に慣れし公園春の鳥      浅海喜世子 (65、モジ・ダス・クルーゼス)

(年齢は応募当時)

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