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ごあいさつ=華道家元45世=池坊 専永

ニッケイ新聞 2010年9月3日付け

 華道家元池坊南米支部が設立50周年を迎えられましたこと、心よりお慶び申し上げます。
 私が初めてブラジルを訪れたのは、1971年、貴支部設立10周年の際でした。関弘敏、赤毛日出子両初代支部長によって創立以来、池坊南米支部は会員の皆様の御努力とご貢献のおかげで発展してきました。
 ブラジルは日本から遠く離れており、池坊いけばなを勉強するのは、決して楽な道のりではなかったと思います。
 しかし、これまでの様々な困難や障害に関わらず、池坊いけばなを伝え、普及する貴支部の活動は、いまや半世紀の歴史を持つものとなり、私はそれを大変嬉しく光栄に思います。島野蝶子支部長先生と会員の皆様の絶え間ないご尽力とご献身、また支部の活動を支援してくださった関係者の皆様にお礼を申し上げます。
 池坊いけばなは、500有余年にわたって、いけばなの伝統を伝えてきました。いけばなの作品そのものは、ほんの短い間しかもちません。また買ったり売ったりするものでもありません。
 先生の教えを弟子に伝え、弟子の教えをまた弟子に伝えます。先生がいけばなを通して生きてきた道を伝えるのです。
 この心のつながりが非常に大事なのです。池坊南米支部の会員の皆様には、引き続きこの心のつながりを大事にして、池坊の伝統と精神を後世に伝えていっていただきたいと思います。
 最後に今一度、池坊南米支部の設立50周年に心からお祝いを申し上げます。と同時に、今後の更なる発展をお祈り申し上げます。

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