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独占インタビュー=ブラジル空軍総司令官=斉藤準一大将に聞く=「日系人の誇りを」

ニッケイ新聞 2009年7月31日付け

 日系初の空軍総司令官の斉藤準一大将(67、二世)は昨年の移民百周年で、日本政府の招待により四月に訪日し、東京の百周年式典、神戸式典にも出席した他、広島、静岡なども訪れた。
 総司令官は「二度目の訪日だったが、両親が生まれ育った場所をじっくりと感じるような、センチメンタルな旅だった」と振り返った。「遠い過去に引き戻されるような、心の奥底に触れるような時間だった」。
 総司令官は、サンパウロ州パウリスタ線のポンペイアで生まれ、七歳の時まで、日本語だけで過ごした。
 「両親からは、どんな仕事もその人の価値を高めるものだから、そう思って一生懸命に取り組みなさいと教わった。勉強こそが社会を上昇するための手段であるから、懸命にやりなさい。そして、なにより、日系人としての誇りをしっかり持ちなさいと教えられた」と今は亡き両親の教えを振り返った。
 中でも、「稔るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という教えは、今も生きているという。事実、同基地のマルコ・ペレス司令官に尋ねても、「総司令官は本当におごらない人柄。空軍ではみなそう思っているよ」と即座に認めた。
 百一年目を迎えた日系社会へのコメントを求めると、「私は二世だが、子は三世、孫は四世。彼らはブラジル社会に完全に統合した生活を送っているが、いつも私はこう言って聞かせている。日系人としての誇りを忘れるな、と。正直で、勤勉であれ。そして、日系人としての尊厳を忘れずにしなさい。それがあればこそ、この国で自分の夢を実現できるはずだから」と、自らの経歴を振り返るようにのべた。

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