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世界剣道選手権きょう開幕=サンベルナルド=39カ国4百選手が一堂に=日本チームの挽回なるか

ニッケイ新聞 2009年8月28日付け

 国際剣道連盟(武安義光会長)主催の「第十四回世界剣道選手権大会」が二十八日からサンベルナルド・ド・カンポ市で開催されるのに先立ち、二十六日、サンパウロ市ホテルで同連盟による記者会見が開かれた。
 会見には武安会長、福本修二副会長、松永政美審判長、佐藤征夫事務総長らが出席した。
 五十の国と地域が加盟する世界剣道連盟。十七年ぶりにブラジルで開催される今世界大会には、三十九の国と地域が参加。男子個人に百四十九人、女子個人に百四人、団体戦出場選手も含め四百余人が、三十日まで三日間にわたり熱戦を繰広げる。
 同連盟への加盟国は年々増加。昨年にはブラジルが中心となって南米剣道連盟が発足した。武安会長は「南米の人にもより剣道を知ってもらい、普及発展して欲しい」と語るとともに、「剣道は『道』で、一般の競技とは違う特性を持つ。競技面と精神面の双方を鍛えることで、人間形成をしていきたい」と述べた。
 さらに、「同連盟の公式言語は日語と英語で、ホームページでは英語で発信し、書物も英訳などして普及している」と語った。
 日本文化に馴染みのない国などに対して、普及の方法は変わるのか、という質問に対しては、「剣道には日本文化に基づく特性があるので、剣道の魅力を通じて自ずと日本文化や精神を学んで欲しい」と説明した。
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 同大会は一九七〇年に日本で開催されて以来、男子個人・団体戦、女子個人・団体戦(九七年から)は全て日本が優勝していたが、前回大会(〇六年、台湾で開催)で初めて、男子団体戦が準決勝で米国チームに負け優勝を逃した。
 今大会で挽回できるか注目される日本勢について、全日本剣道連盟の会長でもある武安会長は、「剣道の道を追及しながら、なおかつトップレベルを維持できるような技術の練磨が大切。勝たないといけないが、結果尊重主義ではない」と話した。
 武安会長は「技術的にもレベルの高い活気のある試合が期待できます。剣道の精神を守り、基本、礼法に則り開催したい」と抱負を述べた。
 【第十四回世界剣道選手権大会】二十八日から三十日まで開催。会場はサンベルナルド市立体育館(アンシエッタ区ケネディ大通り1155)。入場には、保存可能な食品二キロ分を持参すること。

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