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ピラール文協=元気のでる敬老会=心温まる楽しい一日=多彩な余興で拍手喝采

ニッケイ新聞 2009年9月30日付け

 ピラール・ド・スール文化体育協会(阿部勇吉会長)の第31回敬老会が26日午前9時半より同会館にて催された。会員153家族から、73歳以上の高齢者73人が祝われ、うち約50人が会場に元気な姿を見せた。45年にこの地域への初邦人入植者として足を踏み入れ、以来、日系社会の歴史と共に過ごしてきた長浜ふでさんが今年亡くなり、100歳の高野捨野さんが最高齢者となった。
 先亡者に黙祷の後、阿部会長から「これからも健康に留意され毎年敬老会に出席されることを願っております」と挨拶があり、日語学校生徒代表の河津みつお君(12)からは「日本語学校が大好きです。もっとおじいちゃんやおばあちゃんと日本語で話したいです。これからも元気で長生きしてください」と感謝の言葉が送られた。
 その後、表彰者の名前が呼ばれ、紅白の餅や記念品、婦人会が心を込めて作ったお弁当が配られた。日本語学校からも毎年生徒の手作りプレゼントを贈っており、今年はペットボトルのキャップで作った太鼓型マスコットの飾りが贈られた。
 そして、この日出席した男女最高齢者の雪丸初二さん(90)、豊田スギさん(95)がケーキカットを行った。続いて老壮会会長の安藤偵重氏から敬老会開催に対する謝辞があった。
 その後、記念撮影が行われ、乾杯があり昼食。午前11時半から余興が始まり、8月に当地で開催された聖南西芸能祭に参加した婦人会と日本語学校母の会が再び「よさこいソーラン恋蛍」と「河内男節」の2曲の踊り披露した。この日のため、2カ月週2回昼や夜に、会館に集まり練習しただけあり、見事な踊りを見せ終えると、成功と安心感から喜びの声が上がっていた。
 日語学校からは合唱・演奏・劇・踊りなど八つの出し物が用意された。
 全児童による合唱では「桃太郎」などの生徒の歌声に合わせ昔話を演じ、聞いている人を楽しませた。笛・ピアニカによる演奏「夕焼けこやけ」では、高齢者や婦人会の人などがいっしょに口ずさむ姿も見られた。
 幼稚園児は手遊び歌を3曲行い、音楽に合わせて手を動かす4~6歳児のかわいらしい姿には高齢者だけでなく会場にいる皆の表情が緩んだ。
 高学年の生徒20人はステップを踏みながら体を叩いて音を出す「ボディスラップ」で軽快に体を動かし、見事にそろった演技を披露した。
 続けて時代劇風の小芝居があり、阿部会長のお面をつけた侍が登場すると会場は爆笑の渦に。そして、タップダンス風のパフォーマンスへと移った。北野武主演の映画「座頭市」のシーンからとってきた、非常に速いステップの連続ながら生徒達は足を細かく動かしてリズムに合わせていた。生き生きとした舞台は圧巻で、会場から大きな拍手が起こった。
 その他、地元文協だけでなく聖南西地区でも評判だという「YOSAKOIソーラン」の発表も行われた。活動6年目というこの踊りは日本語学校生徒の希望者が行っており、週1日授業前に練習している。卒業生を含め現在約30人が参加しており、この日は低学年の生徒中心の「YOSAKOIソーラン」と高学年中心の2種類が披露された。
 余興は2時間半に及んだが、子供による発表が多く終始活気に満ち溢れ、参加した高齢者達は孫・ひ孫達の発表を温かい目で見守りつつ楽しい時間を過ごした。
 余興終了後、スライドショーが行われ、同文協のこれまでの歴史と日本語学校の活動が紹介され、会場の皆は時折笑いを交えながら懐かしそうな表情でスクリーンに次々に現れる写真に見入っていた。
 婦人会、母の会、日語学校の子供と全ての世代がいっしょになって高齢者をお祝いし盛り上げ、また共に楽しんだ敬老会。この活気ある会で高齢者は贈り物、喜び、そして元気をもらい会場を後にした。(ピラール発)

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