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親のありがたみ感じた=16回目の訪日団が帰国=松柏・大志万

2007年2月24日付け

 「親のありがたみを感じることができました」――。松柏学園・大志万学院の第十六回訪日使節団、二十一人が四十五日間の日本滞在を終え、九日に無事帰国した。十二月二十五日から日本各地を訪問していた一同は、そろって「楽しかった」と満悦の笑みを浮かべて帰国の報告をした。
 同校では、二年に一度実施される使節団の訪日。今回が三十二年目となった。
 一同は、沖縄、東京、千葉、名古屋、奈良、鳥取、広島、北海道など、日本の各地を訪問。その間、姉妹校交流や正月行事に参加し市内見学などを行った。
 滞在中、生徒たちには団長、副団長、会計、総務、写真係、服装係、お土産係、組み分け係など、各自に当番が割り当てられた。 引率した川村真由美校長は、「ブラジルを出国する時から一つの家族として日本へ行った」と話す。「団体行動をする為には、個人個人がグループのためにやりたいことを我慢することが大切。生徒たちは、各自責任感を持ち、それぞれの任務を果たすことができました」と感想を語る。
 四十五日もの間、両親と離れ、親の声も聞かなかった生徒たち。
 日本滞在中、「特に洗濯物を自分で洗わなければならなかったときに、やっぱりお母さんへのサウダージを感じた」と坂里・エミ・ライースさん(14)が口を開けば、他の生徒たちも大きく頷いた。
 出発前に、親との連絡を禁止する理由を、「この年頃というのは、心で感じるもの。親元を離れて親の大切さを感じてほしい」と話していた川村校長の想いが通じたようだ。
 一年半かけて訪問地について勉強してきた使節団一同。皇居での一般参賀や靖国神社参拝、日本武道館の席書大会、伊勢神宮参拝など、正月行事に参加した生徒の一人は、「神道と仏教の違いも少し理解できたと思う」という。
 「ただ見るだけでは得るものも得られない――」。 出発前に文化についての勉強を重ねてきたことで生徒たちは自発的に様々なことを吸収した。
 沖縄の観光、姉妹校の小櫃小・中学校、玉川学園、網走小学校などの訪問を終え、「雪を初めて見た」「スキーやスケート、スノーモービル、雪合戦をした」と思い出は一杯。
 団長のマリネ・由利・芝養・朴さん(16)は、同地の子どもたちとの交流を振り返り、「新しい友達を作ることができて良かった。ホームステイを体験して、日本語も上達した。たくさんのことを知ることができました」と生徒を代表して感想を話した。

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