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伯マキタ社=工場閉鎖で組合が反発=総領事館前で抗議行動

ニッケイ新聞 2009年10月3日付け

 電動工具メーカーのマキタ・ド・ブラジルがサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市の工場閉鎖を決定したことに対し、1日午前、同工場の従業員、ABC金属労組組合員ら約200人がパウリスタ大通りの在聖総領事館前で抗議行動を行った。
 同社では昨年来の世界金融危機の影響を受け、今年3月から6月までに世界のグループ全体で30%減収。こうした状況を受け日本の本社はサンベルナルド工場を閉鎖、生産をパラナ州ポンタ・グロッサの工場に集中させることを決定した。
 伯マキタ社は先月4日に契約解除を従業員に通告。合わせて退職金、特別手当等を支払う意向を示し、組合側と交渉を続けていた。22日夜には組合員らによる同工場への侵入事件も起きているようだ。
 同労組では事前に総領事館側へ面会を申し込んでおり、小林雅彦首席領事が応対。1日午前10時、同労組のセルジオ・ノブレ会長から同領事に現状を訴える文書が手渡された。
 小林首席領事はニッケイ新聞の取材に対し、「総領事館としては具体的に立ち入ることはできないが、日伯関係という点からも早期の解決に向けた努力をお願いし、伯マキタ社にもその旨を伝えた」と話す。
 伯マキタ社では、今回の抗議行動へ遺憾の意を示しながらも、今後も交渉を続けていく意向を示している。

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