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マナブ・マベ日伯近代美術館=サンパウロ市が4百万レを支援=カサビ市長「日本文化の拠点に」=今年、来年の2年に分け

ニッケイ新聞 2009年10月6日付け

 サンパウロ市リベルダーデ区にある旧カンポス・サーレス校を改築し、進める『マナブ・マベ日伯近代美術館』事業に対して、ジルベルト・カサビ市長は4日にあった調印式で、今年からの2年間で計400万レアルを支援することを発表した。野村アウレリオ前市議が2009年予算として提出した補足令の施行による200万レアルに加え、カサビ市長は、「来年さらに200万レアルを約束する」と発表、関係者を含む来場者を驚かせた。

 マナブ・マベ協会(Instituto Manabu Mabe、間部有剛会長)が進める同事業。200万レアルの補足令の施行を受けて4日午前、工事中の同美術館中庭で調印式が行われ、故間部学の三男である有剛会長、間部よしの未亡人ら間部一家も揃い、関係者ら約150人が来場した。
 式にはカサビ市長をはじめ、カルロス・アウグスト・カリウサンパウロ市文化局長、野村前市議、伯日国会議員連盟会長の飯星ワルテル下議、ウィリアム・ウー下議、小林雅彦在聖首席領事、栢野定雄文協副会長が来賓として出席した。
 同事業や工事状況の説明後、あいさつに立った有剛会長は、「少しずつ夢に近づいている。学の夢である新しい文化施設を開けることに、大きな喜びと誇りを感じている」と述べ、野村前市議や市、家族、関係者に深い感謝を示した。
 野村前市議は、「市が協力できることに満足している」と移民から輩出された「世界のマベ」に敬意を表した。
 続いて、ウー下議が同事業に対して来年度に30万レアル、また飯星会長が、今年から3年にわたり計45万レアルの補足令案を提出することを発表。飯星会長は「100周年事業として将来に残る数少ないプロジェクト」と位置付け、同事業の重要性を説いた。
 同地の砂で作られ「コンベニオ(協定)」と書かれた粘土板にサインをしたカサビ市長。「この瞬間は、日伯間において非常に意義深い」とし、「同美術館は日本文化の拠点。さらに来年、200万レアルを市が援助する」と突然宣言すると、驚いた来場者からわれんばかり拍手が送り続けられた。
 「完成させることは非常に重要」と続け、サンパウロ市として文化や環境に力を入れていく考えを示した。歓喜に包まれる中、カサビ市長はよしの夫人らと抱擁をかわした。
 この日は日伯メディア関係者も多数集まり、関心の高さをうかがわせた。
 長男の間部譲氏は、「多くの理解者を得られ非常に嬉しい。できるだけ早く完成させ、日伯文化の拠点として日系社会やブラジル人、多くの人に訪れて欲しい」と感極まった様子で語り、よしの夫人は「(夫の)間部も喜んでいます」と笑みを見せた。

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