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100周年評価シンポ=なぜ盛り上がったのか=その理由と背景を探る

ニッケイ新聞 2009年10月22日付け

 「昨年の100周年では、なぜブラジルのメディアがあんなに好意的に扱ってくれたのか。それが調べるのが評価の出発点です」。26~27日にサンパウロ市の国際交流基金日本文化センターホールで行われる「日本移民100周年評価シンポジウム」を説明する記者会見が20日にあり、組織委員長の渡部和夫さんはそう動機を語った。百周年記念協会(上原幸啓理事長、日伯社会文化統合機関(中矢レナット理事長)の共催。
 2日間にわたって8つのテーマで講演と討論会が連続して行われる。各テーマのコーディネータが今までに数度行われてきた作業部会の議論や調査の結果を発表し、当日招かれるゲストを交えて議論を深める。すべて同時通訳が付き、入場無料。23日夜6時までに予約(11・3209・3875、3277・3279、Eメール=secretaria@centenario2008.org.br)が必要。
 オ・エスタード紙の論説委員のオクバロさんは「エスタード、グローボ、アブリル、バンデイランテなどの責任者に調査したが、あれほど好意的に報道された理由は、それぞれ違うという興味深いものだった」と当日発表する内容のさわりをのべる。
 また、百年祭に協力した全銀行にも聞き取りをした。中でもブラデスコからは「わが行が1943年にマリリアで創業した時、顧客の大半は日本移民だった。以来深いつながりがあるので」などの回答があったという。一見予期せぬ盛り上がりに見えた影には、やはり日本移民の積み重ねた信用があるようだ。
 USP元副学長の平野セイジさんは「IBGE(国立地理統計院)の調査によれば、欧州系子孫で大卒は10%だが、日系人の場合は28%。人間開発指数(HDI=ポ語ではIDH)を日系社会だけで見ると、日本とほぼ同じだという数字がある」と披露し、子弟に高学歴をつけさせて社会上昇を図ってきた結果の一部を明らかにした。
 人文研の本山省三理事長(USP歴史学教授)も「日本文化を残すには、日本語教育は重要との結論になった。どうその普及を図るかが課題」などと語った。
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 26日朝9時から開会式、(1)「百周年とメディア」(オクバロ・ジョルジ=以下カッコ内はコーティネーター名)10時15分~12時、(2)「日本移民の団体行動の精神と日系社会の組織、将来」(桜井セリア)13時~14時45分、(3)「スポーツや娯楽における日本移民や子孫の貢献」(渡部一誠、吉岡黎明)15時~16時45分、(4)「学術分野における日本移民と子孫の貢献」(平野セイジ)17時~18時45分。
 27日朝は(5)「農業や他の経済分野における日本移民と子孫の貢献」8時半~10時15分、(6)「デカセギと日伯関係(肯定・否定の両面から)」(中川デシオ、郷子)10時半~12時15分、(7)「食材や料理法における日本移民と子孫の貢献」(豊田瑠美)13時~14時45分、(8)「ブラジルにおける日本文化の将来」(本山省三)15時~16時45分。最後に「シンポジウムの総括」(渡部和夫)16時45分~17時30分。
 このシンポの発表内容は後日出版される予定。

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