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百周年彫刻の絹谷さん=写真集「夢と感謝」刊行

ニッケイ新聞 2009年11月26日付け

 ブラジル日本移民100周年を記念して、彫刻家・絹谷幸太さんにより制作された石のモニュメント「夢と感謝(Sonho e Gratidao)」の、制作から完成、関連イベントなどの様子をまとめた写真集が発行された。
 絹谷さんは2003年から1年間、文化庁の新進芸術家海外留学制度によりサンパウロ大学コミュニケーション芸術学部に研究員として留学。サンパウロ市東部のカルモ公園に設置された同モニュメントの名「夢と感謝」には、日本移民を受け入れたブラジルと、日本の文化や習慣、言葉をブラジルに定着させた移民の人々への感謝の気持ちを込めたという。
 モニュメントは7つの石により構成され、ブラジル産花崗岩レッド・ドラゴンの彫刻を取り囲むように日本の稲田石による6個の彫刻が周囲に配置され、一つの曼荼羅を構成。また、子供たちが遊ぶための階段、トンネル、窓、よじ登ったり座ったりするためのスペースも彫られている。
 昨年6月20日には皇太子さまご臨席のもと同公園で除幕式が開かれ、皇太子さま、ジルベルト・カサビサンパウロ市長による桜・イペーの記念植樹も行われた。
 同書は表紙にモニュメントの写真を掲載、A4版カラーで121ページ。制作に使用した花崗岩の調査から彫刻の制作、設置、除幕式、関連イベントまで掲載されている。
 同書の中で絹谷さんは「多くの子供たちに永遠の愛を届けることでしょう。受け止めた天使たちが、より良い世界にするために、世界の各地域で活躍することを楽しみに願い、お礼の言葉とさせていただきます」と記している。

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