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「外国人庁」設置を要望=集住都市会議、文科省に

ニッケイ新聞 2009年12月16日付け

 【共同】日系ブラジル人ら外国人住民が多い7県の28市町でつくる「外国人集住都市会議」の清水聖義群馬県太田市長と鈴木康友浜松市長が15日、文部科学省で中川正春副大臣と会い、外国人関連の施策を一元的に担う「外国人庁」の設置などを求める緊急提言を手渡した。
 提言は、不況で職を失っても日本にとどまる外国人住民が多いことなどから「生活者としてとらえた施策が必要」と指摘。外国人庁のほか、外国人の子どもの教育環境を充実させるため、就学の義務化や受け入れる公立学校への財政支援などを求めている。
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 都市会議は外国人住民との共生を目指す地方自治体が、施策の情報交換や共通の問題を解決するため2001年に設立。2009~10年は群馬県太田市が事務局を務める。
 このたび提出した提言は今年11月26日に下旬に太田市で開いた定期会合で決議され、会場を訪れた民主党の細野豪志副幹事長に提言書を手渡した。
 外国人庁設置は昨年に続く要望。 日本人と同様に権利を尊重し、義務の履行を求める「受け入れ方針」策定を提言しているほか、外国人の子どもの就学義務化と、受け入れる公立学校への十分な人的・財政的措置なども求めた。
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 外国人集住都市会議の現在の会員都市は次の通り(今年4月1日現在)=【群馬県】伊勢崎市、太田市、大泉町、【長野県】上田市、飯田市、【岐阜県】大垣市、美濃加茂市、可児市、【静岡県】浜松市、富士市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、菊川市、【愛知県】豊橋市、豊田市、西尾市、小牧市、知立市、【三重県】津市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、伊賀市、【滋賀県】長浜市、甲賀市、湖南市。
 同会ホームページによれば、2009年4月1日現在で最も多くのブラジル人が住む自治体は静岡県浜松市で、1万8247人。28都市のうち長野県飯田市を除く27都市で、外国人登録者の中でブラジル人が最多となっている。

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