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強化された日伯関係=外務大臣 岡田克也

ニッケイ新聞 2010年1月1日付け

 平成22年(2010年)の年頭に当たり、ブラジル御在住の日系人及び邦人の皆さんに謹んで新春の御挨拶を申し上げます。
 私は昨年9月に発足した鳩山政権において外務大臣に就任し、この3カ月、激しく変化する国際社会の中で、我が国外交の責任者として日々執務に取り組んできました。
 本日、新年を迎えるに当たり、山積する課題に直球で取り組んでいく決意を新たにしています。特に、ビジネスや留学など様々な目的で海外に在住されている邦人の方々が、それぞれ安全で充実した生活を送ることができるよう、引き続き全力を尽くしていきたいと思います。
 我が国と国際社会のかかわりの中、海外で活躍されている日系人の皆さんは日本外交の重要な資産です。戦前戦後を通じ様々な苦難を経ながらも異国の地で確固とした社会的基盤を築かれた方々、移住先国の発展に貢献され御活躍されている方々に対し、この場を借りて、改めて敬意を表します。
 過日、外務大臣就任後に、第50回海外日系人大会出席のため来日された方々への歓迎レセプションを開催いたしました。記念すべき節目となる同大会の機会に、各国から来日された移住者や日系人の方々から、これまでの御苦労、御活躍について伺うとともに、これからの日系人社会を担っていくであろう新しい世代の皆さんと楽しく懇談できたことは貴重な経験でした。
 我が国では、昨年、政権交代が実現し新政権が誕生しましたが、日本国政府として、皆さんに対する尊敬の念を持ち続けるとともに変わらぬ支援を行っていく所存です。また特に若い世代の日系人の皆さんとの交流や協力を図り、きずなを深めていくことが重要とも考えています。
 昨年9月、国連総会に出席した際、アモリン外務大臣と会談を行いました。その際アモリン大臣が、ブラジルにおける日本人移住者や日系人の方々の貢献、活躍について高く評価されていたことをよく覚えています。
 私からは、出身地の三重県に多くのブラジル人が居住されていることを踏まえ、「在日ブラジル人は現下の不況の中で厳しい状況にあると思うが、これらの方々が職に就くことができるよう日本政府としても微力ながら努力している」と述べた次第です。
 日本とブラジル、日系人の方々との関係は、一昨年の日本ブラジル交流年、日本人ブラジル移住100周年を経て、大きく強化されています。
 私としましても、ブラジルを世界規模の課題に共に取り組む重要なパートナーとして、ますますの関係強化を図っていきたいと考えています。
 最後に皆さんの御多幸と一層の御繁栄を心から祈念いたしまして、新年の御挨拶といたします。
 
平成22年 元旦

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