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外国籍生徒支援を実習に=小松市=学生のボランティア活動=金沢大学が単位を認定

ニッケイ新聞 2010年1月12日付け

 【北國・富山新聞】金沢大学が今年度、石川県小松市内の中学校、高校に通う外国籍の生徒へボランティアで学習支援活動を行う学生を対象に、「異文化体験実習」として単位を認定する。4日までに方針を固め、学生の活動参加を促して国際社会を担う人材育成を進める。新年度からは県内の他市町でも、要請があれば支援に乗り出す。
 学生による学習支援活動は昨年5月、小松市国際交流協会の依頼を受けてスタート。機械産業が盛んで外国人が多い小松市では、日本語の理解不足などから、授業になじめない外国籍の生徒が不登校になるケースも懸念され、同市国際交流協会が金大に相談したのが活動のきっかけとなった。
 現在は金大と金沢学院大の学生計19人が「小松スタディーサポート」として活動しており、週1回、2時間にわたり、ブラジルや中国の中学生数人に、日本語や不得意な教科を指導している。
 金大は、海外での語学研修などを単位として認める「異文化体験実習」の一環として、学生に2単位を与える。10回以上の参加や、活動の感想や反省をまとめたリポート発表などが要件となる。金大は3月までに、学生にアンケートを実施し、指導のノウハウを蓄積していく。
 金大人間社会学域国際学類教授の志村恵留学生センター長は「外国籍の生徒にとって、学生は『日本のお兄さん、お姉さん』として精神的な支えにもなっている」と話し、学生の成長にもつながっていると強調する。
 活動に参加する北村希さん=人間社会学域国際学類2年=(19)は「生徒が生活面の悩みを打ち明けてくれるようになった。好きな活動で単位がもらえるのはうれしい」と話している。

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