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成人式案内外国人に送らず=浜松市=名簿作り困難が理由で=「案内ないのは悲しい」=「今後は送付を」

ニッケイ新聞 2010年1月13日付け

 【静岡新聞】静岡県浜松市が市内の新成人に成人式の案内はがきを送る際、住民基本台帳に登録のある日本人に限定し、外国人には送っていなかったことが10日、分かった。市生涯学習課は「事務的な理由で断念していたが、今後は外国人にも送付していきたい」と話している。
 同課によると、昨年10月時点で市内の外国人の新成人は約400人。案内の送付には外国人登録原票のデータが使われるが、「名前の表記が長かったり複雑な文字がある場合、名簿の作成データにうまく載せられない」という理由で、これまで送っていなかった。
 成人式には案内状がなくても参加できるが、外国人は自分から申請する必要がある。市は広報誌などに英語とポルトガル語で成人式の情報を掲載していた。担当者は「外国人にも送付するべきと思っていたが、認識が薄かった。申し訳ない」と話している。
 市の社会教育委員を務める津村公博浜松学院大教授は「学校経由で情報が来る場合もあるが、縦割りで不平等。案内がないと参加しづらい面もあるだろう」と話す。津村教授によると、近隣の湖西市や磐田市などは外国人にも案内を送っているが、送っていない自治体もあるという。
 日系ブラジル人の大学生金城ジゼレさん(20)=浜松市東区=は成人式を心待ちにしていたが、案内はがきが届かず「開催場所も分からず不安になっていた」という。今回は直前に友人経由で問い合わせ、10日の成人式に無事出席。「同じように日本で教育を受けているのに、自分だけ案内がないのは悲しい」と複雑な思いを語った。

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