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「被害は島のごく一部」=イーリャ・グランデ=悲鳴上げる地元関係者=土砂崩れでキャンセル相次ぐ

ニッケイ新聞 2010年1月13日付け

 元旦未明リオデジャネイロ州イーリャ・グランデの北部バナナウ海岸で起こった土砂崩れが各メディアで大きく取り上げられているが、報道後から島全体で観光客が激減、地元経済に深刻な影響をもたらしている。島東部のヴィラ・ド・アブロン地区で「イエス・ポウザーダ」を経営する堤エドゥアルドさん(48、三世)が12日午後に来社、「被害は島の一部だけ。他の地域は斜面も少なく安全です」と強調した。

 イーリャ・グランデは面積193キロ平方メートル、多くのビーチを有する。事故で被害を受けたのはイーリャ・グランデのバナナウ海岸で、他の地域には全く被害は及ばなかった。
 市政府から閉鎖を勧告されたポウザーダも同海岸の約10軒のみ。
 にも関わらず、事故後の報道後から島全体で観光客が激減。1年で最も多くの観光客で賑わうこの時期に、250以上のポウザーダで宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、観光業を主とする島の経済に大きな損害を与えている。
 「島全体で事故が起こったかのような印象を与えている」と話す堤さんによれば、「80%が失業する」との噂が地元住民の間に流れ、不安が充満しているという。
 ヴィラ・ド・アブロン地区には、日系約30軒を含む120のポウザーダが集中するが、「1月2月の宿泊予約の70~80%がすでにキャンセルされた」と話す。
 ポウザーダを先月30日にオープンしたばかりの堤さんは、「従業員15人との契約も解約しなければいけない」と肩を落としながらも、「天気は快晴で、バナナウ海岸以外、事故の影響はほとんどない。どうかイーリャ・グランデに遊びにきて欲しい」とコロニアに呼びかけている。

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