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研修員OBを再び母県へ=鳥取県が短期研修制度開始

ニッケイ新聞 2010年1月21日付け

 鳥取県が2009年度から、新たな事業として「短期研修員制度」を開始する。これは県研修員OBが再び母県で短期の研修を行い、技術のフォローアップを目指すもので、1~3カ月程度の期間で実施される。
 第一号となる研修員は、加藤アケミ・ヴェロニカさん(39)。現在歯科医として自身の診療所を開いている加藤さんは、95年に鳥取県立中央病院で10カ月間研修し、口腔外科の技術を学んだ。
 現在は義歯を専門に歯科医として活動しており、今回の研修では鳥取市の日赤病院で義歯とインプラントの技術について学ぶ。「新しい技術を知りたい」と話す加藤さんは、特に「治療で使う素材も良いものが使われているので、ぜひ見たい」と抱負を語る。
 今月末に訪日し、3月後半まで滞在。95年に指導を受けた医師の下で今回も研修する予定だ。前回訪日時あまり日本語が話せなかった加藤さんを、「鳥取の人は皆で助けてくれた」と振り返る。勉強とともに、「当時お世話になった人たちに会えたら」と話した。
 「鳥取県ブラジル交流促進事業」として実施される同研修。本橋幹久県人会長によれば、同事業は日本の財団法人「自治体国際化協会(Clair)」の援助を受けて行われ、モデルケースとして位置づけられているという。今後他の都道府県に広がる可能性もある試みだ。
 会長は「各県人会の役員にも研修・留学生のOBが増えてきた」と現状を語り、「こうした事業が他の県にも広がれば」と期待を表した。

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