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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=川上オズワルド=在日ブラジル商業会議所会頭=伯日は世紀のパートナー

2010年1月30日付け

 一昨年、我々はブラジル日本移民百周年記念を祝ったが、両国の通商交流はパリで「日伯修好通商航海条約」が調印された1895年に遡る。それ以降、500社以上の日本企業が伯国に進出、先進技術や新たな工業化概念を持ち込み、伯国に大きな工業をもたらした。
 と同時に、伯国も日本にとって重要な資源供給国の役割を担ってきた。中でも鉄鉱石は、日本の鉄鋼産業を世界有数のものへと高めた。そこにはヴァーレ・ド・リオ・ドセ社とエリエゼル・バチスタ元社長の存在がある。日本と同社の関係が世界の海運業を変えた。
 日本へ何百万トンもの鉄鉱石を輸送するためには、大規模な造船技術が不可欠であり、世界の造船技術はそれを克服するために急速に発達した。
 この海運業の発達はまた、日本の需要に応えるべく伯国の湾や業務制度の変革を促す。これはヴァーレ社が活動拠点を置く伯国各地域の発展へもつながった。パラー州カラジャス鉱山は、日本の協力から生まれた世界最大の鉄鉱山だ。日伯間の協定が同社の発展を導いた。

コモディティ(一次産品)
 日本は最も重要な伯国の一次産品購買国の1つだ。日本のオレンジジュースの90%が伯国からの輸入品であり、日本が輸入する鶏肉の80%も伯国産が占める。コーヒーやたばこ、繊維も重要な取引品だ。洋服からスポーツ用品、ファッションも日本の注目を浴びる。今日本の海岸でもアバイアーナスのサンダルを履いている人をよく見かけるはずだ。
 貿易における問題の一つは牛肉や豚肉の輸入規制であり、日本政府が口蹄疫の危険を懸念し、伯国産の牛肉を受け入れない点が挙げられる。
 そんな中でも、シュラスカリア・バルバッコア系列店は日本で開店し、その存在感を強めている。週末は各店舗超満員で、時期によっては、予約は1カ月前でなければならないほどだ。いつの日かブラジル産牛肉が、日本人の食卓にたどり着くことも想像できる。

挑戦
 近年大きな挑戦を挑んでいるブラジル企業と言えば、WEG社だ。ブラジル市場だけでなく世界的リーダーとなる同社は、日本の電動機市場に参入し、三菱電機や日立製作所といった大手企業と競合している。同社はアジア市場の需要に備え、中国にも工場も建設し終えたところだ。

在日伯商業会議所(CCBJ)
 一方、日本に進出するブラジル企業は01年、在日ブラジル商業会議所(CCBJ、Camara de Comercio Brasileira no Japao)を立ち上げた。同会議所は日本企業、伯国企業間で相互に経済効果を高めることを目的とし、イベント企画や伯国企業の支援を行っている。

逆の現象
 近年、日本への投資を行う伯国企業も現れてきた。ヴァーレ社はインコ社の買収を経て、ヴァーレ・インコ・ジャパン株式会社として三重県にあるニッケル工場・松阪工場を獲得。伯国営石油会社ペトロブラス社は、沖縄県の南西石油株式会社を買収し、高質の軽油精製を拡大してきた。

ペトロブラス社
 ペトロブラス社と日本の関係は60年代初期、石油掘削船「ペトロブラスⅡ」の造船とともに始まった。日伯貿易が最高潮に達した70年代、多くの日本グループがこぞって石油化学コンビナートの建設や石油探査に投資を行い、日揮株式会社(JGC)もブラジルの石油精製工場建設に投資を行うようになる。
 80年代、ペトロブラスは日本企業に石油採掘プラットフォームの建設を4基発注し、90年代には幾つかのプラットフォームが日本の融資を受けた。伯国ボリビア間ガスパイプラインの建設やRELAM精油所の改修工事、アマゾナス州ウルクとマナウスを結ぶガスパイプライン建設プロジェクトなども日本の融資を受けている。
 00年12月、同社は東京に事務所を開き、国際協力銀行と長期契約を結ぶ。同事務所の開設は無数のプロジェクトへの日本の銀行の融資にもつながった。
 06年同社と日本アルコール販売株式会社は、日本のエタノール燃料市場に焦点を当て、日伯エタノール株式会社(BJE)を立ち上げた。
 08年、同社は沖縄県にある日量10万バレルが精製可能な南西石油の買収に至った。数年間に渡り日本市場参入の可能性を研究し、南西石油の買収によってついにチャンスを掴んだ。
 これを機に、アジアの川下(原油の輸送、精製、製品販売の工程)業界へ参入し、さらなる商業の可能性を開花させる。沖縄を拠点に日本全土にエタノール3%混合ガソリンを普及させ、その後アジア全域、オセアニアへと展開していく。
 これまで積み上げてきた実績と「BR」ブランドのガソリンスタンドを持ち込み、南西石油の商品にペトロブラスというブランドを加えるのだ。
 次なる可能性は、アジアでのブラジル製石油の販売であり、生産力の拡大に伴って間違いなく実現できるはずだ。
 同社と日本企業の関係も、次の数年で確実に強まっていく。特に、岩塩層下油田の発見はそれを後押しするだろう。他の日本国内での計画も早急に推し進めていきたい。
 我々は、今後も伯日間で多様なチャンスが生まれていくことを願い、ポルトガル語を教える学校や大学機関の増加といったことにも期待を寄せる。同会議所としても、次の100年に向けた、両国関係強化の一助が出来ることを望んでいる。

川上オズワルド(かわかみ・オズワルド)

 サンカルロス連邦大学土木工学科卒業。国営石油会社ペトロブラス社に30年勤務、2000年同社日本事務所を開所後、同事務所代表。2008年同社による南西石油株式会社買収後、南西石油社長を兼任。2003年より在日ブラジル商業会議所会頭。

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