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高速鉄道プロジェクト=総理特使が来伯=副大統領に親書渡す

ニッケイ新聞 2010年2月5日付け

 ブラジルの高速鉄道プロジェクトへ日本側が攻勢をかけている。
 総理特使として国土交通大臣政務官の長安豊氏、外務大臣政務官の吉良州司氏、4社からなる企業連合が1月19日から21日来伯。アレンカール副大統領、ゲーハ文官長府副大臣、パッソス運輸大臣代行などと会談をした。
 日本側からは新幹線の技術や実績を活かし、技術面や資金面での最大の支援をする旨、さらには事業性を確保し、日本の企業連合が参加できるような入札条件に変更するよう要請し、アレンカール副大統領に総理親書を手渡した。
 ブラジル側からは、特使の派遣を重く受け止め、多くの国々が本事業に参加できるよう、様々な意見に耳を傾けていく旨、発言があった。
 同計画では、建設やその後の運営も含めた事業体を作ること。さらには工事が完成し、鉄道が通り、事業として成り立つかのリスクも事業体が取る、というのが条件となっている。
 それに対し、国交省で1月28日に行われた記者会見で長安政務官は、日本や欧州の企業から「全て引き受けるのはどうか」として不満が出ていることも明かし、中国はリスクを引き受ける形で入札に応じる様子で、攻勢をかけている見方も示した。
 現在、同件については国家陸上交通監督庁(ANTT)が公聴会を開いており、日本側はパブリックコメントを出す予定だ。

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