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在外ブラジル人の送金急減=日本は前年比4割も=世界不況、為替も影響か

ニッケイ新聞 2010年2月12日付け

 国外在住のブラジル人による母国への送金が2008年に比べ2割以上も減少した。世界金融危機とその後の不況による失業のほか、レアル高などが影響していると見られる。
 BBCブラジルが報じたブラジル中央銀行の集計によれば、09年に国外からブラジルへ送金された金額は22億2千万ドルで、史上最高の29億ドルを記録した08年と比べ23・6%減少。減少幅は過去11年間で最大となった。
 特に送金額1位の米国、2位の日本からの送金が大きく減少し、米国は前年比30%、日本は同40%も減っている。
 大きな原因としては、世界金融危機による失業増が挙げられる。世界銀行によれば、米国に暮らす中南米国出身者の失業率は全体より高いと見られるという。
 派遣切りが問題となった日本でも、失業などにより昨年1年間で帰伯したブラジル人は7万人以上に上っている。
 BBCによれば、こうした状況に加え、為替がレアル高で推移していることから、現時点での母国送金を見合わせていることも減少の背景にあるようだ。

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