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援協総合診療所=ドトール南の『薬講座』=正しい知識で健康を!=(4)

ニッケイ新聞 2010年3月19日付け

座薬
 座薬は、肛門、尿道,または膣に挿し入れ、中で溶けて効果をもたらす仕組になっています。一般的に、一番使用回数が多いのは肛門に使う座薬です。
 肛門から使用する座薬について、少しお話いたします。
 このような薬物は、高熱で吐き気が酷く、口から飲めない状況に適用されています。薬物は肛門から直腸に挿し込み吸収する仕組みです。
 以前は、座薬は主に子供らに高熱や吐き気などで、口から薬が飲めない状況に用いられていましたが、現在は、幼児の未来に心理的に影響があることも考慮して、控えめに用いています。
 大人で適用するのは、痔症や困難な便秘症です。便秘症で直腸アンプルに便が詰まり込んで、硬化した状況ではグリセリンの座薬が良く効きます。
 容易な下剤座薬の使用法は、使用中におなかに圧力をかからせないような姿勢が第一番です。まず、左脚を左側に引き、右脚は伸ばして、肛門の括的筋肉が弛緩した際、座薬を無理に挿し込まず、ゆっくりと押しやり、肛門から外側に押し出させないように、合わせるように押さえます。使用上の注意としては、排便後、約1時間程は挿入しないことです。

スプレー噴霧剤
 スプレーを使用するのに一番重要なのは、狙いを定めることです。口腔の壁や扁桃腺の付近に当てなければなりません。舌の上に噴霧することは無駄になります。
 スプレーを当てる方法として、たとえば思い切り、ア・ア・アと大きな声を出してスプレーを掛けるのが1つのこつです。それが終わった後、2分間は水を飲んではいけません。口内に薬が長く留まるほど、効果が高まります。
 もし、薬使用直後に吐き気がしたら、つばと一緒に一度吐き出し、しばらくして口内の反射神経を鈍らすため、冷たい水でうがいを繰り返します。

薬剤シロップ
 シロップを使用する際、必ずコップ計量を利用し、決められた量を使用し、回数をきちんと守ることです。
 使用前にシロップの小瓶を振って飲むことを忘れないでください。
 もし糖尿病がある場合でしたら、忘れずに医師に知らせて、合うシロップ剤を処方してもらうことです。なぜかと言うと、シロップの結合剤(エキスピエンテ)に砂糖が含まれている場合があるからです。

薬剤ポマード
 ポマード薬は柔らかい薬であって、肌粘膜などに塗ることによって薬剤の効果をもたらします。
 多くのポマード状の賦形剤は脂肪質なので、少し粘り付いています。
 大部分のポマード薬には一つ以上の薬物が含まれています。以前には,抗生物質か抗炎症剤やホルモンなどの薬物が決まっており、ほぼ相いれなく皮膚に適応されていました。今日は、さらに筋肉痛、関節痛、喘息や咳などの肺障害だけではなく、狭心症までに使用されています。
 ポマード薬は体に無害と思い、手当たり次第に使用しても良いと思っている方々が多いと思いますが、実際はそうではありません。口から服用したように重大な副作用アレルギー反応を発症しても不思議ではありません。
 主に、コルチゾンが含まれているポマード薬を使用する際は、医師の指導を受けるか、添付書を読むかを心掛けてください。何故かと申しますと、コルチゾンを長期に、10日間以上使用すると皮膚病障害、しわや条などを引き起こす可能性があるからです。(つづく)

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