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援協総合診療所=ドトール南の『薬講座』=正しい知識で健康を!=(9)

ニッケイ新聞 2010年3月30日付け

 薬の相互作用を起こすのは薬同士だけではなく、薬と食べ物でも起きる可能性があります。この中で一般に知られているのは牛乳と薬です。
 薬を食べ物と同時に使用すると相互作用を起こす、いくつかの例を並べます。記憶して頂ければ幸いです。
・キャベツ、カリフラワー(Couve flor)とパラセタモール薬(Paracetamol)の同時使用はパラセタモールの効果を減らします。
・アルコール飲料とパラセタモール薬の相互作用はパラセタモールの中毒のリスクを増加します。
・制酸薬とビタミン追加は急性中毒を導きます。
・テトラサイクリン薬(Tetraciclina)と牛乳の組合作用は抗生物質の効果を75%まで減らします。
・カモミラ(Camomila)のお茶とアスピリンの連合作用はアスピリンの効果を増大します。
・避妊薬と抗生物質を一緒に服用するとホルモンを減少させます。
・避妊薬とビタミンC(1g以上)はホルモンを増加させます。
 次に、よく使用されている薬同士の相互作用を調べてみました。
・抗うつ剤(Triciclico)と降血圧剤の相互作用は降血圧剤の効果が減ります。
・鎮痙薬剤と抗うつ剤(Triciclico)の使用併せは頻脈、口渇きや眠気を増加します。
・鎮痙薬剤と気管支拡張薬の同時服用は頻脈、身震いや痙攣と心停止まで多く増大します。
・鎮痙薬剤と鼻炎治療薬(Descongestionante nazal)は頻脈を増加します。
・抗生物質シプロ(Ciprofloxicina)、ノールフロキサシノ(Norfloxicina)と牛乳は、抗生物質の効果が減少します。
・アテノロル(ブロクベータ)(Atenolol-Beta Bloqueador)をミカン類のジュースと飲むと、薬の結果を50%減少します。
 有効的な相互作用もあります。
 たとえば、低血圧剤と利尿剤の組み合わせは古くから知られ、薬の最小量で有効な効果を表します。副作用や逆効果をできる限り少なくする目的として、多くの製薬会社、調製薬局にて古くから作られています。
 このように調剤される薬は調合薬(Medicamento manipulado)と呼ばれ、各医師の判断によっては多種類の薬剤をただ一つのカプセルに封入できる仕組みで、薬を何回も別々に服用するよりも、カプセル一個を一度だけ飲む方法が、都市部では多く使用されています。
 このような方法は多くの場合、相互作用を目指しただけではなく、服用上の都合が良いとしたものです。
 しかし、カプセル中に入れる薬物同士の相互作用を知らない人の調合では、相互作用による副作用の危険にさらします。
 そして、二つ以上の薬を同時作用する場合の逆効果の発症率は、色々な状況、たとえばお年寄り、子供、糖尿病者、大きな手術後、腎肝不全や代謝障害などによって異なります。(つづく)

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