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新大臣11人が就任=ルーラ「目標はPAC完成」=中銀総裁は残留決める

ニッケイ新聞 2010年4月8日付け

 10月の連邦連挙で上院候補などに出馬するために辞任した大臣11人の後任として、ルーラ大統領出席のもと外務省で3月31日、新大臣の就任式が行われた。
 新任者の名前は次の通り。マルシア・ロペス社会開発大臣、エレニセ・ゲーラ官房長官、ヴァギネル・ロッシ農務大臣、マルシオ・ジメルマン鉱山動力大臣、ジョン・レイス・サンターナ国土統合大臣、エロイ・フェレイラ人種平等大臣、パウロ・セルジオ・パッソス交通大臣、イザベラ・テイシェイラ環境大臣、カルロス・ガバス社会保障大臣、ジョゼ・アルツール・フィラルジ通信大臣。基本的には各官庁のナンバー2クラスが昇格する形になっている。
 フォーリャ紙によれば同日の大臣会議でルーラ大統領は、任期終了までにできる限り多くのPAC工事を完成させるよう指示した。と同時に「これから新しいものを始める必要はない。いま進行しているものに全勢力を注げ」と注文した。
 同工事は、ジルマ候補がルーラ大統領から〃PACの母〃と名付けられているように、今選挙戦の功績争いの最重要部分をしめる伏線となっており、工事の進行具合が大きく選挙結果に影響を与える可能性がある。
 同31日付けブラジル国営通信によれば、PACの進行に大きな責任を抱える国土統合省のサンターナ新大臣は「できる限り突貫工事で完成させる」と約束。昨年から副大臣とサンフランシスコ河流域開発計画コーディネーターの要職を兼任してきた同大臣は、昨年11月にブラジル日本商工会議所メンバー30人を前に進出や投資を求める熱弁をふるっていた。
 その縁で午後から国土統合省の講堂で行われた引き継ぎ式に出席したサンスイ株式会社の平崎靖之社長補佐は本人に祝意を伝えると、「大臣になっても同じ。ぜひ日本人企業家をサンフランシスコ河に案内したい」と確約したという。

出馬諦めた中銀総裁

 一方、ジウマ大統領候補の副大統領シャッパに入るのではといわれていたエンリッキ・メイレーレス中銀総裁は、最終的に残留を決めた。フォーリャ紙のケネディ・アレンカール記者は解説記事の中で、「これはPMDB(ブラジル民主運動党)の勝利だ」とする。
 従来自己の高い人気をうけて強気だったルーラ大統領は、メイレ―レス氏を入れてシャッパをPT派で固めようとしていた。先のダッタフォーリャの投票動向調査での結果の悪さ(ジルマ候補がポイントを下げた)に恐れをなし、選挙戦を戦い抜くにはPMDBとの協力関係を強化する必要があると判断したためと解説している。現副大統領がPMDBのジョゼ・アレンカール氏であるように、同党からむかえる流れになりそうだ。